真昼の幽霊

シン・仮面ライダーの真昼の幽霊のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
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序盤はかなりよかった。人を殺す重みの表現、しつこいがありそうでなかった気がするアクション描写(跳躍)、やけに速いテンポの編集、ついてこれなきやつは置き去りでいいと割り切ったトップギアで始まる物語。

ただし人を殺す重みは序盤のある人物の殺害シーンで中途半端に描かれて以降甘々になり、アクションは終盤に近づくにつれてただただ何を映しているのかわからなくなり(序盤は「目にも止まらないのだ」と自分に言い聞かせてたけど)、日本映画特有のチープなCGアニメ感は増し、ストーリーも途中から退屈な説明が多くなり序盤のテンポを失う。

面白いショットも序盤はふんだんにあって「こんなのは庵野秀明しか考えつかないかも」と思ったのだが、ラストに近づくにつれて「普通の映画」になっていく。最後のアクションの鈍重さは意図してのものかもしれないけど、苦笑いしたくなった。

今回も事前に知らされていなかった豪華キャストが登場するものの、こうなってくるともはや「ほかに見どころがあまりないので飛び道具として事前に伝えないことにしているのでは」と勘繰ってしまう。

序盤は「シン・の中では一番好きかも」と思って観てたけど、終わってみたら「仮面ライダーBLACK SUN」よりはマシかなあ程度のところに着地してしまった。残念。

2時間35分ぐらいあったのかなと思ってあとで見たら121分だった。長く感じたぞ!

追記:この映画はIMAX撮影されているわけではないのでIMAXで観る必要はありません。日本映画は予算なくてIMAX撮影なんてできないので「なんかすごいらしい」とイマイチわかってない観客を騙そうとしています。そのぶん海外のマジもんIMAX映画が隅に追いやられてるのです。この映画に出すIMAX加算分でメシでも食いましょう。
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