あの頃の味を残すことに全力振った作品
作品評価のため、あらすじには触れませんが若干のネタバレ含む点をご注意ください。
シン仮面ライダーを公開当日の新宿バルト9で鑑賞。余談ですが、バルト9はどこを見てもシン仮面ライダーのポスター、ポップがでていてチケット販売フロアに劇中シーンを再現したエリアが設けられるなどまさにジャック状態。
興味のある方はぜひバルト9での鑑賞お勧めします。
さて、中身の話ですが。
まずテンポの良さが○でした。
序盤からアクションの連続で展開が早い。ライダーVSショッカーの戦いで大事なのは個性ある怪人の特徴付けだと思いますが、今作は造形だけでなくキャラ設定での個性づけがしっかりされている印象でした。
テンポが良いのでともすれば流れ作業的に敵を倒していく展開になりかねないところを、怪人に強い個性を持たせることで一体一体との戦いが印象深いものになっています。
映画終わった後にそういえばこんなキャラいたな。と思い出せる点がます良かったところです。
次に仮面ライダーを格好良く見せることに成功していると思います。
序盤に仮面ライダーお馴染みの登場音(ピキーン!みたいなやつ)が流れた時は何が起こったのか困惑しましたが、戦闘開始とともに、これまたお馴染みの挿入歌が流れ、敵を薙ぎ倒していくシーンはアガリます!
ゴジラの時も思ったのですが往年の挿入歌をしっかり活かす場面で使うのが上手いです。
また、西野七瀬扮するハチオーグとのバトルはハチオーグの変身シーン、刀での戦闘シーンも美しく表現されていていました。総じて各バトルシーンでやりたいことをしっかりやっているところが活きていて、戦闘が楽しいことで見ているものを飽きさせません。
特に良かったのがライダー1号、2号が並び立ってショッカー本部で量産ライダーと戦う時の決めポーズ。。。からの挿入歌ドーン!のシーン。
ちょっと鳥肌でました。
しっかり爆破シーンをやるとか、陽が沈むシーンをいれるとか、絵をあえて汚く見せるとか。往年の特撮でやっていたところをしっかり入れていくことにも全力で、最新とビンテージの両方の味わいを楽しめる作品になってると思います。
ただテンポが良い分、あまり話が綺麗に整理されてるとは言い難いです。
というか仮面ライダーにエヴァの要素を混ぜ込んだ感じがあり、そこも作家性といえばそうなのかもしれないと思いつつ。。。
テンポが良い分主人公たちの行動原理がわかりにくく、攻撃したり撤退したり、逃げたり乗り込んだりの繰り返しで忙しい印象。
悪く言うとテンションで話を転がしている感じがあるので、最後に大きな感動が生まれるとかそういった作品ではない気がします。最後のシーン俺は好きだけどここもあえて嫌な言い方をすると古い感じがする。
とはいえ仮面ライダーを格好良く見たい人におすすめの作品です。