おにおに

シン・仮面ライダーのおにおにのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.2
MOVIX川口で鑑賞

おもしろかった!

「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」はとてもよかったので、この「シン・仮面ライダー」も楽しみにしてました。

最近は原作へのリスペクトがない、腹のたつ作品も少なくないですが(3DCGのドラえもんとかな!)、庵野さんは「シン・ゴジラ」、「シン・ウルトラマン」を見て、そういう心配が全くない、むしろ自分以上に作品へのリスペクト、「愛」が、スクリーンや音から伝わってくるので、その点は全く心配していませんでした。そして、そのとおりの映画だったとおもいます。
まずその点に敬礼。

これはあれですね、当時の昭和レトロなテレビヒーローを見たことも、その時代の空気を吸ったことも感じたこともなければ、この映画がすっごい刺さるということはたぶんないんじゃないかなあとおもいます。この感じが通じるのは50歳以上くらいか。
今みたいにネットがあって、動画サービスがあったり、地上波以外のテレビ局が山ほどあったり、いろんなアニメ作品やスポーツがあったり、テレビゲームがあったり・・それほど便利ではなかった昭和40年代、50年代の頃、テレビというのは子どもにとって、ほとんど唯一といってもいいかも知れないくらいの巨大な存在感の、おおきな楽しみでした。
録画機器もタブレット機器もないので、見たいテレビ番組はすべての用事を済ませて、その時刻に家のテレビの前に集合しなければいけなかったんですよ。

そういう時代に子ども時代を過ごしたなかで、「仮面ライダー」といえば、「ウルトラマン」と並ぶテレビヒーローでした。
そういう懐古厨的な気分の世代の人間には、これはストーリーとか映画としてどうのこうのというよりも先に、「ああああ仮面ライダーだああああ」というところで刺さります。これはしかたがない。

とはいえ、私くらいの昭和40年代後半生まれでは、この仮面ライダー1号2号は再放送なんですよね。
リアタイでは仮面ライダーエックスとか、ストロンガーとか、アマゾンとか?この「仮面ライダー」の続編の時代だったし、「デンジマン」「サンバルカン」といった(仮面ライダーとは異なるシリーズの)「戦隊モノ」のほうにどちらかというと夢中だったとおもいます。
なので、子どもの頃の遠い記憶の雰囲気は知ってるだけで、細かなストーリーとか設定とかは実はあんまり知らないし、復習も特にせずに見に行きました。

仮面ライダーのイメージというと、ウルトラマンとか戦隊モノと決定的にちがうのは、独特の「暗さ」がある。
ダークネスな。
「俺は改造された・・」という世間に対して後ろ暗さみたいなものが常につきまとい、驚異的な戦闘能力も好きでやっているわけではないという。
敵の組織も、敵キャラも凶悪で不気味で。いわゆる子どもの男の子があこがれるような「正義のヒーロー」!という単純な感じではないんです。
あれですね、これのアメリカ版に近いのがあって、そう、鉄の爪のウルバリンのやつだ、なんだっけ。あんな感じの物語ですよね。

「仮面ライダー」は、そういう「空気感」を感じさせなければ絶対に仮面ライダーではないんですが、この映画はそこのところをめっちゃクリアしてきた!なので、それだけで見る価値があった!とおもいました。


前置きがめっちゃ長くなってしまいましたが映画の話。

とにかくしょっぱなのつかみの戦闘シーンからいきなりぐぐっとひきこまれますねー。これが「シン・仮面ライダーか!!!!」っていう。まずはここが見どころ。

エンドロールを見ると豪華キャストなんですが、どこに出てきたんだ?と思ったけど、あとでパンフみたら、ショッカーの怪人たち!だったんですねーそりゃわからんわw

ショッカーの怪人たちも個性豊かでそれぞれにかっこよかった。
いちばん印象に残ったのはスズメバチのあの子!その次はサソリのあの子!でしょうか

もちろん仮面ライダーのファイティングポーズ、ジャンプ!キック!も懐かしくて懐かしくて。

「泣ける」ような場面は一切ありませんでしたが、この映画の感想はひとことでいい

「おもしろかった!」

そして

「なつかしかった!」

これですねーーー


劇場来場者特典の仮面ライダーカードも懐かしかった。
パンフレットもかなり分厚くて豪華なので買う価値ありかとおもいます。


★は・・
「シン・ゴジラ」に★4.5
「シン・ウルトラマン」に★4.4
をつけているので、それよりちょっと下くらいの★4.2にしておきます。

アラフィフ世代はみましょう。

では、また。
おにおに

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