TakedaKatsuya

シン・仮面ライダーのTakedaKatsuyaのネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

仮面ライダーだけどの庵野秀明そのものという感じ。
DAICONの庵野版帰ってきたウルトラマンというのがある訳だけど、それと同じように仮面ライダーを撮りたかったんだな、という感じ。
ショッカーの思想を受けて「『幸せ』というのは全てがわかり合うことだ。わかりあうためには肉体が不要」といって「魂をひとつに!」みたいなことやろうとするんだけど、それってエヴァの「人類補完計画」じゃん。
あと登場人物の性格描写が希薄だったのと、キャラ同士の関係性の深まりも描けてないので、物語としては分かりづらかった。
庵野秀明ファンとしては、造形を石ノ森章太郎の絵に近づけようとしているところとか、コマ撮りアニメのような表現があるとか、CG全盛期の現代の映画にフィルムの始祖的表現の継承をしようとしたのかもね。
庵野は近年、映画の為の映画を撮っている気がする。観客に向けてというより、より上位概念としての「映画の神様」のようなものに向けて、その技法や魂を補完しようとしている。
それは自らのやってきた映画への感謝の表現なのだろうけど、もしかしたら観客はそこに居ないのかもしれない。
そうだとしたら、それは結構残念な事だ。
また庵野秀明が大衆に向けて作品を描ける時を待つが、そういう段階はとうに過ぎてしまったのかもしれない。

わかった。「シン」企画はエンタメを作っているようで過去の名作への奉納品を作っているんだ。