レオン

シン・仮面ライダーのレオンのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.0
キャスティングも見せ方もマズく、過去の庵野監督作の出来ではない・・。  それほど期待値が高かった訳でもないのに、それ以下の評価に。
特にシン・ゴジラとは雲泥の差に感じる。

まず以前に主演ライダーが 池松壮亮 と知った時点で、魅力が半減していた。
TVシリーズで本郷猛を演じた、"藤岡弘さん" の存在感には足下にも及ばないと、分かっていたから。
が、大人向けにそれなりの制作費を費やし完成された「仮面ライダー」は、今までに見たことない描写を見せてくれるはず、と淡い期待はあった。

が、マーティン・スコセッジ監督が過去に、「映画は90%以上が、キャスティングで決まる。」と語ったとおりの結果に・・。主要人物の台詞が、ほとんど台本を読んでいるとしか感じない・・。
声に「力」を感じられる出演者が一人もいない・・。
普通のTVドラマより酷い表現力にしか見えない・・。

さらに二人目ライダー"一文字隼人"役の 柄本佑にはあきれた・・。 彼が悪いと言うより、なぜ一文字をこんな軽い役柄にした? (口語調の台詞はチャラく感じ、顔を崩して泣くシーンは見るに耐えがたかった)
はっきり言って二人のライダーは、もっと長身で端正なルックスの、男でも憧れるぐらいの役者が、命を賭して闘っている様を表現出来なければ、見る者の心は動かない!

池松壮亮と 浜辺美波は監督自らキャスティングしたらしく、余計に残念感が・・。

TVシリーズを見てない方は、現在youtubeでも 東映特撮 Officialというチャンネルで1話や85話等は見れるようなので、藤岡弘さんの本郷猛とどれだけ違うか見てほしい。
(尚、藤岡さんは自身でバイクも運転して危険なシーンも撮影し、坂道スタントでは、足が反対に曲がるほどの大けがをした。 それだけあの役に入れ込んで撮影に臨んでいた)

それにカメラが悪い。 やたらズームアップが多く、かなり後席で見たのにも関わらず、もっと後ろに下がりたく感じたほど・・。
暗いシーンも多く、最悪なのは "何と何が激突" したのが、分からぬシーンが多々あったこと。 これはゴジラ にも ウルトマンにもなかった。 逆にシン・ゴジラは対自衛隊のシーンを過去作より鮮明に見せてくれて感心したほどだったのに。 (シン・ゴジラの私のレビュー参照)

以下ネタバレ含む↓

物語も怪人を次々倒すのはよしとするも、ラストはショッカーの壮大な作戦を阻止する様な展開・・・にはならず、私怨のぶつかり合いの様な感じで、あっけなく死を選ぶ・・。
森山未來役も、妹をカマキリ男に殺させて、その後に回想してどうのこうのと、?感が。
3人ライダーでの戦闘もプラーナ派の衝突が、最後にはほぼ中学生の取っ組み合いに・・。

曲の使い方も、作中であの高揚するトランペットのリフが聞こえて、テーマ曲が流れると思いきや、そのリフがBGM的に何度も流れるだけで・・。
そしてエンドロールでようやく、本来オープニングのテーマ曲が・・。 
エンディングの1曲目は、「嵐~と共にやって~来た~。 誰だ誰だ悪を蹴散らず嵐の男~」(1号のエンディング曲)
だろっ! と思わず突っ込む。

なんかレビュー書いてるうちに、★2点台でも十分に思えてきたが、サイクロン号の6発マフラーが変形しての発進シーンや、バイクジャンプしてさらにライダージャンプ・キックで、相手の体に足がめり込む描写等、斬新なシーンや特撮も多々あったので、オマケしての★3評価に。
でも・・なんだかな~・・。

追記
NHK放送の「ドキュメント シン・仮面ライダー」を視聴して。
こんなグダグダの撮影現場だったのか・・と唖然とした。
現場で、行き当たりばったりで撮っているなんて・・。
ラストの取っ組み合いが、そりゃそうなるわ・・と別の意味で納得。
果たして今後、庵野監督にオファーは来るのか・・。
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