鈴木ドミノ

シン・仮面ライダーの鈴木ドミノのネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

旧エヴァに共通するテーマ性があり、エヴァンゲリオンから庵野作品に入った自分としては大いに楽しめた。

世界の不条理性に対する抗い方として、世界自体の変革(=人類補完)を企図するゲンドウと、「他者という地獄」の中でもがき続けることを受け入れるシンジという対比が、今作のチョウオーグと仮面ライダーの構図に分かりやすく符合している。

社会における課題の克服や制度の変革など、漸次的な改善は市民にとっての責務であるが、究極的に世界は暴力的であり、不条理であるという本質は今後も恒久的に残る。

金曜日のレイトショーということもあり、観客は自分も含めてオッサンばかりであったが、チョウオーグと仮面ライダーの戦いは「君たちはどう生きるか?」という児童文学的な問いかけに聞こえた。

そういう意味で「仮面ライダー」に対して正面から取り組んだ庵野秀明の姿勢が見えて良かった。
鈴木ドミノ

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