湯

シン・仮面ライダーの湯のネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

諸手を挙げて賞賛は出来ないけど、嫌いにはなれない。不思議な映画だ。ただ、シン・シリーズの中では1番人を選ぶのは確か。

OPのアクションシーン、カット割りが激し過ぎて『あ、今作のアクション合わんかも...』となってしまい、その気持は終始変わらなかった。アクション良かったらもっとハマってたと思う。カット割り激しすぎて、目が疲れるし、画質も一部iPhoneで撮影してるからか、とても見ずらかった。
戦闘のカッコ良さや見やすさは10年以上前のWなどTVシリーズの方が断然良いし、血がプシャャッて出ても、暴力の怖さや描き方はクウガの方が優れていると思った。

ただ、ライダーキックのシーンは決まってた。特にクモ、コウモリ、KKオーグ戦のキックは好き。あとバイクやマスク変形も良い。

クモオーグとハチオーグの造形好き。役者陣は皆素晴らしかった。特に大森南朋の声の演技めちゃくちゃ好き。あんな演技もできるのか...。あと浜辺美波の顔面力が高すぎて、正面から長めのカットで話すシーンとか圧倒された。柄本佑も素晴らしい。『飄々とした演技』を具現化したような話し方、上手え...。

個人的に今作は"動"のシーンではなく、"静"のシーンがお気に入り。特に本郷とルリ子の掛け合いや、絆の深まり方。お互いがバディになっていく過程に素直にワクワクした。バイクや孤独の考え方とかなんかとても良かった。本郷と一文字の掛け合いも良い。本郷の心が徐々にケアされていくのが自分でも心地良かった。ラスト、爽やかな余韻で普通に感動した。

風景と役者を遠景で撮るショットが多数挟まれるが、『日本の景色って美しいな...』と再確認できるロケーション映画でもあると感じた。

何年かしてまた観たくなるような不思議な味わいだった。
湯