「孤独を知り、悲しみの淵から信頼の世界へ踏み出し、他者と共に生きる」この物語をそんな風に受け取った。
何かを守るときには力を使う覚悟を決めないといけない場面がある。自分は何を守りたいのか、どう愛したいのか、ということに、彼らは潜在的に向き合っていたのだと思う。
そして「意志を継ぐ」という愛の形を見つけ、「共にいる」ことになった。
私たちは悲しみを感じきらない限り、感情を否定したストーリー・世界を作ってしまう(他者からの影響で自分を洗脳してしまう)。そこから本来の願いに沿うためにそのメンタルモデルといえるものを"書き換える"必要性がある。
自分が進みたい方向性としての未来のあり方・幸せの形を見つけていく、自他へ働きかけていく、そんな道筋が描かれていてとてもよかった。
近年の庵野監督は「生きるのが上手くなった」ように見えている。(おこがましい言い方だけれど)それでもなお創り、伝え続けてくれることに感謝したい。
エンドロール背景の道、美しかったですね。人生には険しい道のりもあるし、長いけれど、俯瞰してみればかくも美しい。そしてその道のりを信頼する他者と共に進めるということは、なんと素晴らしいことか。