今日も喉が痛い

シン・仮面ライダーの今日も喉が痛いのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.6
全く食指が動かなかったんだが、話題のドキュメンタリーを見たら興味が湧いたので行ってきました。長回しワンカットがどんな映像になってるのか気になってたんだが、なかなかバッサリ切ってたので「おい庵野」と言いたくなりましたね。ハイタッチしてたのに…。が、考えみれば庵野さんて細かいカットでテンポ良く繋ぐの多いので仕方ないのか。あ!でもワンカットにするなら面白いと思うって確か言ってたぞ!笑

序盤の暴力は「おっ!いいね!」となったのですが、その後は優男本郷自身が自らの暴力性との葛藤もあってか、もう鼻ホジホジみたいな感じで観ちゃってましたねぇ。良いとこも沢山あったはあったと思うんですが、なんだろうなぁ…感覚的には『DUNE』みた時と同じ感じになったな。序盤以降はワクワク感が全くなかった。

『シン・ウルトラマン』でも思ったんだけどやっぱりTVシリーズを2時間で纏めるには無理があるんじゃないかってのはありますよね。だから3部作ぐらいのつもりで今回は仮面ライダー誕生編みたいなさ、そんな感じでも良かったと思うんだよ。これするとまたたぶん碇シンジみたいにウジウジ悩んでしまいそうな気はするし、またそれやんのかよってたぶん俺文句言うけどさ、同じ話をするのは作家性でもあるじゃん。

これはドキュメンタリーを見た後だから言える事ですけど、庵野さんは自分の頭にある絵を実写でどうやったら面白くなるかと考えた時にアニメはコントロールするものだけど実写に求めてるのは自分の想像を超えてコントロール出来ない絵が欲しいわけよね。だから僕が考えたらそれはつまらない。なので皆考えてちょ。段取りやだ。つまらない。なのでハプニングとかアクシデントが起こると「はい、OK」て言っちゃうんだと思うのよ。予想外な事が起こった時のリアクションはそれは自分では想像出来ないし絶対出てこない生のリアクションだから。分かるよ。言ってる事は分かるけどさ、だったらですよ、驚いた顔を撮る為に突然ショットガンぶっ放す気狂いフリードキンや、笑ってはいけないシリーズ『オーメン』編のダミアンを笑わせたいスタッフ達VS絶対に笑ってはいけないとダミアンの闘いの末に出来た不気味な笑みなど、じゃあどうやったらそういう絵が撮れるかっていう仕掛けなりなんなりは一緒に考えないとそら困惑だよね。役者達だけに任せるっていうのはそりゃ酷よ。

これ言うとこの映画全否定になるかもだけど、皆?皆かは知らんけど庵野の考えた庵野120%なやつが観たいと思ってるよきっと。うわーめっちゃ庵野!って俺言いたいもん。庵野が足りてないでしょコレ。

仁義なき戦いのポスターどこにあったんやろか。