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シン・仮面ライダーのandesのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
2.0
全然駄目だった。話がもたつくなか、「敵に会っては一旦退却」を繰り返し、何が目玉なのかも分からないまま終わってしまった。
「意図的」を言い訳にしてはいけない。チープなCG、棒読み演技、破綻したリアリティライン、滑り散らかすギャグ、映画として面白さに繋がらない。というか、演出か予算不足か見分けがつかない時点で論外。観客が作り手のエゴを忖度して擁護する必要はない。
冒頭はまだマシだが、すぐさま仮面ライダーが役人の下請けになるので、孤高の存在にも見えず、ヒーローの孤独というよりは「仕事が嫌なサラリーマン」みたいな主人公となる。
シリアス路線なのに、意図不明なギャグがリアリティラインをグラつかせる。「ところがギッチョン」には失笑。「キューティーハニー」なら良いが、このテイストでやられると「真面目に戦ってないんだ」と落胆する。
怪人の強さが分からないのは致命的。サソリオーグを人間で倒せるんだったら、公安の行動がいろいろ不可解。大爆発で無傷だったライダーの仮面ってMP5の9mm弾の連射に耐えられないのか?アジト目立ち過ぎで、結局爆破するんなら国家権力が介入すればいいじゃん。シリアス路線なので綻びがでてくる。
一番納得が出来ないのは、ラストの一文字がバイクで「孤独を越える」シーンで、何故あの曲が掛からないのか。わけのわからんバラードみたいなのが流れて白けて終わった。エンドロールでメドレーにされても遅い。ラストで「許せる」道すら潰している。
キャストは頑張っている。ただ、監督が俳優を信じていない(演技ではなく口癖や外見での造形に頼っている)ので何とも言えない。
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