翼

シン・仮面ライダーの翼のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.7
前評判に反して、なんだかめっちゃ楽しめた。

重めな人間ドラマの中にメカニカルなスーツや怪人が登場してきた時の緊張感とわくわく感。チープなCGなんか気にならなくて、ドラマと仮装(仮想)と孤独と悲哀と爽快感。この配合が仮面ライダーだったなぁと思い出した。すんげー爽やかな終わり方するし、「あぁ仮面ライダー観たなぁ」って余韻が残った。これで充分。批判する人はみんな童心忘れちゃってんじゃないの。

今までシンシリーズを追ってきた者として、本作で初めて庵野節が理解できた気がした。それは私自身が幼少期、ゴジラもウルトラマンもそこそこだったのに対して、仮面ライダーは大好きな子供だったことが大きいと思われる。RXがどストライク世代だけど、親父に連れられてレンタルビデオ屋に行っては昭和ライダーまで遡って観たりしてた。当時からしても画質や設定は古いわけだけど、見始めると不思議と気にならなくなる。DNAに仮面ライダーが染み込んでるんだな。そんな人間だからか、映画批評的な視点を捨てて純粋に仮面ライダー作品と向き合えたんだと思う。
「なんで面白かったか」を説明するのは難しくて、同時に説明する必要性も感じてなくて、理屈抜きでカッコイイ、好き。それが少年がヒーローに抱く感情なわけでこれで良いと思っている。庵野監督はいろんな文献やインタビューでその人間性を露出しているけど、ホント童心そのものなんだろうと思う。幼少期に友達にライダーのビデオ借りて「すげーおもしろかった!」って言いながら返したらめっちゃ喜んでくれた、そんな感じで感想を伝えたい。それを望んで映画を作ってんじゃないかな。
なのでFilmarksにおける本当の感想欄は以下。


秀明くん!カッコいいライダーと怪人がめっちゃ出てきて、すげーおもしろかったよ!つくってくれてありがとう!
翼