けーすけ

そして、バトンは渡されたのけーすけのレビュー・感想・評価

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
4.0
泣き虫な女の子“みぃたん”は母親を早くに失くし、父親(大森南朋)と2人で暮らしていた。ある日、父親は再婚相手の梨花(石原さとみ)を連れてきた。みぃたんも梨花が実の母親のように懐いていたが、父親が突如海外で仕事をするために2人を残しブラジルへ行ってしまった。残された梨花とみぃたんの生活が始まる。

森宮さん(田中圭)は争いごとを好まない優しい性格。高校生の娘、優子(永野芽郁)と2人暮らし。娘の為に良い父親であろうと、日々料理を作り優子を見守る生活をしていた。
そんな2組の家族を結びつける接点とは・・・






原作は未読。ラストは少し変わっているとの事ですが、大筋は同じようなので何も知らずに観た方が楽しめるかもしれないです。

気になってしまった部分としては、中盤くらいまで梨花・みぃたんパートの話と森宮さん・優子パートの話がかなり細かくブツ切りで交互に映し出される演出なので、物語の世界に入り込むのが少し難しかったところ。


ヒューマンドラマではありますが、ちょっとした謎解き的なテイストも含まれている感じで、それぞれの人物が繋がった先の物語にはグっときました。

ただ、「あの人がいなくなった理由は…」とか「それぞれの話がどの部分で交錯するんだろう」「あの時に会いに来た理由は?」と、あれこれ推察しながら観てしまう人には向いてないかも(見せ方が丁寧なので先読みしやすい)。

そんな感じで途中で物語のポイントとなる部分は分かってしまったのですが、それでもまんまと泣かされてはしまいまして…。
これは演じた役者のみなさんの力量によるものが大きいかと。


梨花を演じた石原さとみの「ちょっとネジが外れた感じ」のキャラは彼女ならではの魅力がよい感じ。ただ描写が奔放すぎる人物なので彼女の行動が許されるかどうかでこの映画の好みは変わってきそう。

優子役の永野芽郁、フワっとしながらも存在感のある演技もバシっとハマっており、可愛らしさは見ていて癒される~。

優子の義理の父である森宮さんを演じた田中圭は、ちょっとおせっかいで娘が心配な優しいお父さんって感じで良かった。そして田中圭の声が好きだな~、と再確認。



さまざまな人の優しさや愛が繋がった“バトン”。タイトルの回収がなんとも暖かい気持ちにさせてもらえる一作でした。


2021/10/30(土) 109シネマズ二子玉川 シアター9 17:25回にて鑑賞。I-14
[2021-084]
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