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そして、バトンは渡されたのmehanaのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

いい映画。
正直、衝撃的な展開はそんなにないが、その分リアリティが増す。
衝撃的な展開として、まず、みぃたん= 優子で、時系列が違う話を同じように見せていること。
これは見ているとなんとなくわかってくるが、映像の見せ方でちょっと困惑させてくる。特に森宮さんの会社に梨花が訪ねてくるところなど、何のために来たのか不明だし、その後の泉ヶ原さんの映像の後に、泉ヶ原の家に引っ越す映像になるので、時系列を把握するのは結構難しい。
次の衝撃的な部分として、梨花が死亡するということ。個人的には簡単に死なすことで感動を呼ぶのはあまり好きじゃない。ただ、今回の話では死ぬこと(その理由)で色々な伏線を回収している。
その他は結構日常の話が多い。正直2時間超えのため、キツイかなと思ったが、そこは俳優陣の演技が素晴らしく普通に観れる。

あとは、観ていて一番気にかかるのが、梨花の存在。冒頭から梨花は若干裏があるような紹介になっていて、不穏な感じを持っているが、しかし間違いなくみぃたんを愛している映像が流れる。しかし、優子を捨てて、消えているあたりで梨花への不快感を感じさせる。その辺をどうするの?そのまま特に展開せず終わるのかなーと思っていたが、実は病気で〜と結構納得させる話になっている。話の作りはいい感じ。

個人的に泣いたのは、実の父親の水戸さんとの対面。ここはやはり泣いてしまう。あとは、梨花が死んだ時の親子喧嘩。基本笑顔でいる優子が初めて感情を露にした場面。また、親子喧嘩ができないと言っていたのを思い出し、涙が止まらなかった。

個人的に気になったのは、優子(永野芽郁)の制服姿がちょっと違和感があったのと、本当はピアノをやりたいんじゃないのか、いじめてた同級生が突然優しくなること(ただ、これは高校生くらいならこんなものかなと腑に落ちた)、早瀬くんの演技あたり。
感動押し付けるための下手な脚本作品が世に溢れている中では、構想がよく、満足できた作品。
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