はる

そして、バトンは渡されたのはるのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

優子ちゃんのライフストーリーワークって感じの物語だった。曖昧な過去を整理していって、未来に繋げていく。とにかく最初から最後まで森宮さんが素晴らしすぎて、森宮さんが主人公…??ってくらい。物語がつながると、梨花さんの行動の理由とか色々理解できる。理解できる…けど、わたしは少しモヤモヤしてしまうかなあ。人生は結果論だから、今ある状況をこれでよかったんだって思う方が生きやすいし、それで良いと思う。でも、やっぱり綺麗事に思えてしまうし、わたしはどんな理由があっても梨花さんは優子ちゃんと一緒にいて欲しかったと思う。その時々で森宮さんとかほかのパパが優子ちゃんのそばにはいてくれたけど、ママじゃなきゃだめだったのも事実だと思う。特に梨花さんが優子ちゃんを手放したくなかった理由の話は、どれだけ愛していた事実があったとしても身勝手だなとしか思えなかった。子どもは親の所有物じゃない。親が自分が生きるために、満たされるために、愛を注ぐっていうのは違和感でしかない。どこまでいっても子どものためでないと許されない行動だと思う。
まあ愛の形も家族の形も色々なので、と言ってしまえばそれまでかな!

お話の中で1番好きだったのは卒業式のシーン。森宮さんが歌の練習を手伝う場面からドバドバ泣ける。本当に森宮さんはすごいよ。森宮さんほど子どものことをずっと気にかけてこの子のために何ができるか、この子にとっては何が必要なのかって子どもファーストで考えられる人って早々いないよ。優子ちゃんは森宮さんに出会って初めて色んなことが「自分のせいではない」って伝えられて、受け入れられる感覚を知ったんだと思う。「明日が二つになった」ってセリフは本当にいいセリフだった。梨花さんが亡くなった場面で優子ちゃんが気持ちの矛先を森宮さんに向けて「森宮さんのせい」って言えたのはすごく大きいと思う。何でも自責して笑って繕ってきた中で森宮さんに対しては色んな気持ちを真正面からぶつけてる。それだけ関係を築けてたってことだろうし、やっぱり森宮さんが主人公だろ…ってくらい素晴らしい人だと思う。

ラスト、バトンをつなぐのが早瀬くんなのは個人的に腑に落ちないです…早瀬くん、学生のときは魅力的だったけど進学後はなぜにらあんなに胡散臭いんだ…ふたりがベランダで柵に挟まってるシーン見てなんかわからないけど幸せになれなさそうって感じてしまった。早瀬くんも親の所有物で自分の道を見つけるまで右往左往するのはわかるけど、、あんまり信用できない。

物語としては全体的に綺麗で、映像もかわいい。お洋服とか家具とかもかわいい。色使いにこだわってるんだろうなと思う。
おもしろかったです。
はる

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