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ジャム DJAMのsonozyのレビュー・感想・評価

ジャム DJAM(2017年製作の映画)
4.5
『ベネデッタ』からのダフネ・パタキアつながりで。
アルジェリア出身のトニー・ガトリフ監督による、ギリシャ音楽レベティコ(rebetiko)♪溢れる、二人の女性のロードムービー。
『Djam(ジャム)』は主人公の名前。英題は『Journey from Greece』。

ギリシャ・レスボス島に暮らすジャム(Djam: ダフネ・パタキア)は、叔父(と呼んでいる継父)カクーゴスの指示で、彼の船の部品を手に入れるためトルコ・イスタンブールに向かう。

到着後、港で気の弱そうなフランス人女性アヴリル(マリーヌ・カヨン)と出会う。難民救済のボランティアをしていたがボーイフレンドが荷物を盗んで消え、途方に暮れていた彼女に着替えを与え、しばし屋根の上で寝泊まりする。

ジャムは無事、船の部品を手に入れ別れようとするが、どうすればいいか分からないアヴリルはジャムから離れようとせず、二人の旅が始まる。

レベティコの音楽を歌い、セクシーに踊り、バグラマダキ(baglamadaki)という小型の弦楽器を弾くジャム役のダフネ・パタキアが最高。
奔放で大胆不敵なキャラで、スリット入りミニスカートの下がノーパンだったり(笑;)、パスポートを盗まれたアヴリルのための再発行の手続きで厳しい対応をする係員の男の前で突然歌い踊り出し、男を笑顔にしたり、アンダーヘアをアヴリルに剃らせたり、祖父の墓の上でおしっこしたり(祖父が音楽と自由を邪魔したからという理由で)…と、予測不可能(笑;)。

このジャムのキャラクターと各所で登場する哀愁溢れるレベティコ♪が本作の魅力。
ブズーキ(bouzouki)、バグラマダキ(baglamadaki)といった弦楽器がいいんです。

二人に起こる様々なハプニング、出会う人々、難民が乗ってきた壊れた多数のボートや救命胴衣が散乱する海岸といった心痛む風景…etc
日本未公開なのが残念。

トレーラー
https://youtu.be/C5gwxlEtskM

ダフネ・パタキア、ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督の不思議短編『Nimic』にも出てたんだ。
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