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ジャム DJAMのleylaのレビュー・感想・評価

ジャム DJAM(2017年製作の映画)
4.2
大好きなトニー・ガトリフ監督のずっと観たかった作品⭐︎

トニー・ガトリフ監督だけどロマ作品ではありません。ギリシャの財政破綻や難民問題の切実さをテーマにしながらも、音楽の力、人間のたくましさを感じる作品。何が起こるかわからないロードムービーの魅力もたっぷり。

継父に頼まれ、ギリシャのレスボス島からイスタンブールへ、船の部品を買いに行くジャム。途中で出会うアヴリルと共に破天荒で危うい女子2人の旅が始まる…

ジャムの家族たちは不幸なはずなのに、音楽を奏でる彼らはとても幸せに見えた。余韻の残るラストは音楽のパワー全開。

「俺たちは生きている
確かに生きているんだ」

生きているから音楽を奏で、音楽があるから生きていける。そんな音楽好きのトニー・ガトリフ監督らしい、素晴らしいサウンド満載の作品となっている。今作で流れるレベティコと言われるギリシャのブルースのような音楽がなぜかしっくり来て心地いい!

主演のダフネ・パタキアがめちゃくちゃよかった。歌も踊りもうまくて驚きです。ナチュラル&パワフルで惹かれる女優さんだったので『ベネデッタ』とか観てみたい。

ガトリフ作品ではいつも女性の大胆さが描写されているのも魅力。でもイヤらしくないんだな。ジャムがノーパンだったり、アンダーヘアを剃ったり。たくさんのシーツが干してある屋上で全裸の女子2人が追いかけっこするシーンが好きだった。

ロマ研究家の関口さんのトークショー付きの回で得した気分。ガラガラだったのがもったいないなぁ。
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