Monsieurおむすび

ジャム DJAMのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

ジャム DJAM(2017年製作の映画)
4.1
世界中を覆う絶望と怒り。だけど、流浪の魂は悲しさを隠して、どこでだって国境線のない自由な音楽を奏でて生きていく。


ギリシャ レスボス島からトルコ イスタンブールへ、叔父さんのおつかいへ出る破天荒娘ジャムのミュージカル・ガールズ・ロードムービー。

自分の海外旅行なら心が折れるレベルのトラブル続きの旅路を、歌って踊って、楽しく乗り切るジャムがカッコいい。
無一文フランス娘アヴリルとの喜怒哀楽がおかしくなりそうな連帯感も楽しい。

エンパワーメントではあるけれど、そこはトニー・ガトリフ監督作品ということもあって、国の財政破綻、移民危機、ロマの哀切と世界の負の側面もしっかりと盛り込む抜け目なさ。

いつものロマっぽさは薄めだけど、ギリシャ大衆音楽レベティコとダフネ・パタキアの野生味と反逆精神が牽引。
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