よねっきー

ジャム DJAMのよねっきーのレビュー・感想・評価

ジャム DJAM(2017年製作の映画)
4.6
劇中ずっと流れる音楽と同様に、かなり独特でエキゾチックなリズムとメロディのある映画。シーンごとの省略が大胆でポンポン進む。最初はちょっと戸惑ってしまったけど、観てるうちにどんどん引き込まれた。ユーモラスな展開も、キュートなショットも結構あり好きだった。

奇想天外に猛進する主人公ジャムの姿を追ううちに、気がつけばお父さんの台詞に泣かされている。割と軽いノリのガールズ・ミュージカル・ロードムービーではあるんだけど、終盤にかけてテーマ性がドライブしていく……というか、ずっと背景にあった移民難民問題が前景化してくる。否応なく当事者にさせられる感覚。

クストリッツァの『アンダーグラウンド』みたいな、哀しくも楽しく前進する音楽映画を現代で観れたことがうれしい。こういう映画があったことを忘れず、世界に多少遅れようと日本に輸入してくれる人がいることに感謝。おれたちは生きてるぞ。生きてるから歌うんだ。
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