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発見の年
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『発見の年』に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【巨大化しすぎた敵に跪く】
山形国際ドキュメンタリー映画祭の作品は、日本公開されないものも少なくない。超長尺映画となると尚更だ。故に、ドキュメンタリー映画好きとしては積極的に挑戦していきたいものがある。さて、本祭の超長尺映画枠としてスペインから『発見の年』がやってきた。本作は新大陸発見から500年後の1992年、オリンピックや万博の華やかな雰囲気の裏で蹂躙される市民の怒りを2画面で200分綴った超大作となっている。日本も2021年、東京オリンピックが開かれ、テレビでは華やかなニュースが流れる裏で、市民の猛烈な抗議が行われた。他人事ではない内容なので観てみました。

『縮みゆく人間』という映画がある。これは核実験によるスコールと、街中で噴霧された殺虫剤を浴びた男が1日に1/8インチずつ縮む様子を描いたSFホラーである。最初は親身に妻に介抱されていくが、あまりに体格差が広がり、ついには人間から認知されなくなってしまう絶望が描かれている。『発見の年』を観ると、今こそリメイクすべきだと感じる。ペインだけでなく、世界的に広がっている搾取のメカニズムの表象に最適だと思わずにはいられないのだ。

オリンピック、万博のキラキラした未来を魅せる映像と重ねるように、重苦しい市民の活動が挿入される。バーが映し出され、疲れを癒すようにビールを呑み、過ぎ去る時間に身を投じる者のが画と、劣悪なスペインの労働を愚痴る者の画が同時に提示される。その同時に映し出される画の連続体はランダムであり、対話になっているが視線が交わっていなかったりと奇妙である。しかし、それは自分が無意識/意識的に作り出されたベクトルに支配されたTwitterのタイムラインが当たり前となった時代ならではのランダム性であり、2020年代ならではの表現だと感じる。丁度、ラドゥ・ジューデ『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』第二部における無造作に並べられている画がSNS社会を象徴しているように。

この最先端の技法で綴られる、市民のぼやきはどれも強烈である。米国シフト方式が採用され、10連休は取れたりするものの不規則な労働でストレスが溜まり、タバコとアルコールに溺れ亡くなる。有給はもらえず、会社都合で無給の休みが与えられたりすることへの不満。さらにはホワイトカラーの人からの差別があったり、90年代のスペイン社会の問題が次々と明らかにされる。

だが、これは序の口であった。ヨーロッパは通貨統合が行われ、一つの大きな共同体になろうとした。当時のスペイン共産党は欧州内の労働条件の統一を目指した。外国人労働者の安い労働力によってスペイン人の働き口がなくなり、人々は苦しめられていたからだ。ホテル業界から農業に転職し、トマトを栽培するが、自分たちはモロッコからの安いトマトしか買えない。そんな不条理に不満が高まっていた。しかしながらヨーロッパ統合の動きによってもたらされたのは、強国によりインフラこそ与えられるが、その結果自国産業が潰されたことだった。

オリンピックにより、劣悪ながらまだ給料はもらえていた工場労働者も、次々と工場が潰れてしまいさらに追い込まれていく。若者は勉強しても低賃金長時間労働を強いられてしまう。

では労働組合はどうか?80~90年代にかけてデモは活発に行われた。しかし、敵がスペインを超えた存在となってしまい、あまりに巨大化しすぎてしまったせいか労働組合はあれども社会に影響を与えられなくなってしまった。

ある者はギリシャを例に、現代資本主義の問題点を提起する。14回にもゼネストが行われたにもかかわらず緊縮政策が施されてしまったと。

資本主義が国を超えた巨大なシステムとなってしまい、人々は蹂躙される。人々は声をあげようにも、相手が巨大すぎる故に暖簾に腕押しとなってしまい絶望が広がる。そんな現代社会の『縮みゆく人間』を本作は魅せてくれた。

正直、2画面による特性をあまり掘り下げられていない印象はあり、左画面に何も映さないまま10分ぐらい語らせる場面はもったいないと感じた。それこそ、労働者の画とプロパガンダを執拗に挿入すべきだとは思ったが、それでも200分飽きることなく楽しめた。
 ✔『発見の年』(3.7p)『最初の54年間ー軍事占領の簡易マニュアル』(3.3p)▶️▶️
 ヤマガタ昨年参加作の中、政治力学色の強い2本。
 『発見~』。今回のヤマガタの印象、何となく小粒かなと当初見ようかなというのも、金ももったいないしと省いてしまったが、これは作劇·作法、渾身の力作であるは分かる。他の小銭を惜しんだのも見とけばと遅い後悔をする。
 2面スクリーンで酒場で性や世代の違う何人かが、同時に捉えられてるが、同時に喋ることはなく、そのうち一面を全く無音にしたり、映像自体を外してまっ黒くしたりしてくる、時にそこに歴史に関する文書が並列されたり、それまでの世代による社会·現実への向かい方の差から、背景の社会変動と直に向きあってくる。それにそれらとは別パート挟み込み的なニューズリール部分は別にして、まさか昔のものが残っていての、再構成·再編集に見せるのに、主だった映像素材に、今のデジタルではなく、20世紀に主流だった、傷やカット尻に前カットの残像残るアナログ·ビデオが素材として使われている。EECからEUへの移行がラジオから流れてる。それよりは安定したしかしHDではなくSDクラスのやや粗いのが、それから近年に跳ぶのかデケイド単位で経っての、当事者の解説·感慨シーンで用いられる。
 スペインの地方都市カルタヘナ。中年以上は矢鱈自分の為もあり、1日を仕事を繋ぎ働きぬいてきた半生、若い者らにもそういう者もいるが、一般的には享楽的で退廃的な、酒場。1992年頃か、雰囲気が危険を察してたように、その後を大きく変えてくニュースが背後から聞こえ来てる。フランコ政権下の抑圧·貧困から、組合や組織も機能し、自らの張り合い·手応えも出来つつあった。しかしEU統合で産業構造は激変、グローバルな効率の為の大々的再編で、産地と市場が近隣飛び越え·整理されて、この地の農業自体が消えんとしてく。組織は無力で、ギリシャの二の舞にも。ドイツやフランスが一方的に肥える。フランコ政権下でも、貧しくも産業自体·生活費の拠点ベースがなくなることはなかった。大々的なデモや、議事堂焼き打ちに発展してく。スペインが、五輪や万博で表面上賑わう中で、地方が枯渇してゆく。
 作品のドキュメンタリー·フィクションを自在に組立て、よりリアルに壮大に、EU統合以降の歪みをしっかりと現してく。共通通貨ユーロがドイツに集中的に競争力を与えてるくらいしか、具体的なニュアンス·状況の感じ取りには殆ど無縁だったので、壮大な力学バランスと危機の迫真を見た気がした。
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 『最初の~』。何となくぐらいしか、中東情勢には詳しくないので、ある程度は勉強になるなぁ、ではあるし、力もあるが、目新しい世界が提示される訳でもない。パレスチナ·ガザと西岸地区を制圧して50数年、支配が領土化の目標が抵抗なく移行してく為に、司法も存在しないような軍司令部-国家保安局-捜査官による暴力と決定·施行によるパレスチナ人の恐怖と無力の自覚、イスラエル人の入植による人口バランスの変化、先住パレスチナ人の生活水準を上げ変らぬ日常が続いてる感触の植付け、抵抗運動を密告や逮捕恐怖により分断化する事、らが大々的に行われるが上手くいかず、蜂起やテロが公然化してゆき、目標は目前の報復だけに堕ちていってるとう、当時狂気の只中にあったを、今客観化できて証言する、元イスラエル兵士の指揮官から現地兵に至る時系列をある程度準じた証言集。
 挟まれるモノクロからカラーの褪せたニューズリールは無音で、証言集は(全体にだが)何故かスコープサイズのフィックス·ストレートで、纏めたりけしかける監督は晩年勝風。それにしても、日本占領政策は何故稀なる成功、日本の堕落に成功したのか、そっちの方がスリリングで壮大なものになるかもしれない。世界最大のならず者国家·偽善国家、唾棄すべきアメリカに何故かこうも簡単に騙されたのか。第二次中東戦争やベトナム参戦の頃のアメリカは、最大の悪玉国家と世界からプーチン以上に忌み嫌われたは確かだったが。
富井

富井の感想・評価

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組合に入って、大規模なストライキやデモを起こし会社・国に要求する
それは「労働者」の特権?
この「労働者」という言葉が団結力を生み出す時代は終わり、民営化が進み、中小企業が乱立し、転職が容易になり、生活の責任は概して個人へと向かっていった。
「経営者の立場になってみると分かるよ」

時間的には遠くないが、感覚的にかけ離れた過去の反乱を見つめ直すことは、現代で何故その反乱が効力を持たないのか考えることでもある。興味深かった、勉強したい。

編集にかけた労力ヤバそう。その分面白い