今日は映画『私はヴァレンティナ』を試写会にて鑑賞。
昨今様々なスタンスのLGBTQ映画が作られているが、本作はブラジルの高校生ヴァレンティナが主人公。
多くは自分の性同一性障害に気がつくところから始まるが、本作ではヴァレンティナはすでにホルモン治療でバストも大きくなり、呼び名も男性名からヴァレンティナに変わっている。
母親もヴァレンティナに理解を示しており、家庭内では「娘」として認知されているのだが、学校や地域からはそういう訳にはいかず、母娘は郊外に引っ越すことに。
転校先でできた新しい友だちは、カミングアウトしているゲイの少年と、誰の子かわからないが妊娠している少女。トランスジェンダーのヴァレンティナには心強い味方だ。
新天地で希望に溢れていたヴァレンティナの日々は、酔い潰れて寝てしまったパーティの夜に一変する!
ゲイ、妊婦、トランスジェンダー、1つの教室にこれだけ多様な生徒がいたら、日本だったらどうなっちゃうんだろうと考えた。作品内ではヴァレンティナのことだけが問題になるが、日本ならどれ一つ取っても大騒ぎだろう。
私の教師生活の中ではこういった経験はなかったが、この映画の中で起こる事件ほどではないにしろ、何某かの波風は立つだろうし、そういった時代がやってくるのかもしれない。そうした時に、我々がどちらの方向を見て教育を語れるか、他人事でなく考えた。
主人公のヴァレンティナを演じたのは自身もトランスジェンダーであるティエッサ・ウィンバック。17歳の揺れる思いをフレッシュに演じている。
とかくLGBTQものというと『ミッドナイト・スワン』のように悲劇を強調して描かれることが多いが、本作は理解のある母、みんな何かを抱えてる友だちなど、辛くてもヴァレンティナには力強い味方がいる。
希望のあるラストシーンも好き! 爽やかなLGBTQ映画としてオススメです。