もりあいゆうや

私はヴァレンティナのもりあいゆうやのレビュー・感想・評価

私はヴァレンティナ(2020年製作の映画)
3.9
LGBTQの権利保障に前向きに動き、同性婚も認められているブラジル。その一方、トランスジェンダーの中途退学率82%、そして平均寿命は35歳と言われている。
(公式サイトより引用)

舞台はブラジルの小さな街。
主人公はトランスジェンダーである17歳のヴァレンティナ。

この作品を通し、観る者はヴァレンティナの生きづらさを追体験する。
フィクションではあるが、冒頭に示した数字がリアリティを物語っている。
描かれている期間でいえば、数日間であるが、現在に至るまでに様々な苦労があったのだろうなと自然と想像力が働いてくる。

この後のヴァレンティナの人生も、まだまだ困難なことがあるだろうなと思いつつも、何か大きな変化が期待できるような希望のある終わり方であったので、とてもさわやかな余韻に浸ることができる。

決して「LGBTQに目を向けよう!」「トランスジェンダーってこんなに苦しいんだ!理解しよう!」みたいな押し付けがましい作品ではない。
ただ、この作品を観ることで、少なからず良い方向に意識は変わるのではないかと思う。

ぜひ「今」多くの人に観ていただきたい作品です。

Filmarks様の試写会にて観賞。