rage30

ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ナチス支配下のドイツを生きた、高齢者達のインタビュー集。

戦争犯罪の被害者側でなく、加害者側のインタビューというのは珍しく、興味深く見る事が出来ました。

子供時代のヒトラーユーゲントでの思い出を楽しそうに語る辺りは、『ジョジョ・ラビット』を想起させると言いますか、本当にジョジョみたいな子供がいたんだな~と思ったり。
こんな子供の時から差別的な思想を教えこまれたら、そりゃ差別的な大人になるだろうし、逆説的に教育の大切さを感じたりもしましたね。

そこから、映画は加害責任について質問するわけですが、その答えは十人十色。
まったく反省してないヒトラー信者もいれば、「知らなかった」「仕方がなかった」と責任を回避する人もいるし、「恥だ」と正面から罪を背負う人もいて…。
正直、ドイツ人にはナチスの罪と真摯に向き合う、誠実なイメージがあったので、その幻想が崩れてしまった事はちょっと残念でした。

でも、罪と向き合えない…罪を認めてしまったら、とても耐えられないという人間の弱さは理解出来るし、彼らを責める気持ちにはなれなかったかな。
ただ、だからと言って、「知らなかった」「仕方がなかった」という説明は言い訳でしかなく、「知ろうとしなかっただけでは?」「回避する努力はしたのか?」という気もします。
若者と対話する老人が言う、「目を背けてないでくれ」という言葉は、嫌な情報を簡単に遮断出来る現代だからこそ、より重たく響いてくるものがありました。

何か事が起きてから、「知らなかった」「仕方がなかった」という人間は、やっぱり無責任でダサいと思うんですよ。
そうなる前に、知る努力や回避する努力をするべきだし、それでも過ちを犯した場合は真摯に罪と向き合える人間でありたいものですね。
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