あける

泣いたり笑ったりのあけるのレビュー・感想・評価

泣いたり笑ったり(2019年製作の映画)
3.8
仕事後に行ったために冒頭眠くて(映画ではなく私のコンディション)ちょっとぼーっとしてしまったのだが、「2人が結婚?!そんなことは聞いてないよ!」と親族が大騒ぎし始めたあたりで目が覚めてそのまま楽しく鑑賞した。

ゲイの人の話なんだと思ってあらすじも特に知らずに行ったらバイの2人の話だったけども。

トニは自由奔放で育児も好き勝手に育児なんてしてないような父だった人で、とにかく若い頃ならモテそう〜なそんな人物像を想像してしまう人。
(トニ感想で評判悪くて笑う😂)

なんでこんな人と恋に落ちるんだ?!
ってのはロマンスの鉄板ということでどうだろうか😂

そしてカルロの無骨さとなんでも真っ直ぐに物を言う態度…しかもカッコいいんだよね……なんかやたらカッコいいんだよね……こんな人最高じゃん……となる感じが終始すごい。
ホットなんよなーーーー

そんな2人のまわりにいる家族(特にトニ側のおばさま)が濃い。

結婚は親族問題よのぅ…というところを掬い取ってわっちゃわっちゃなるのかと思いきやまさかのトニ娘とトニの親子関係が出てきて私は思わぬボディブローをくらった気分に。
謝ってくれる親なんていねぇよなぁ!
そもそもこんなに親に文句つけたところで絶対に明後日の方向の返答しかしてもらえないという気持ちがあるな…。
なのであの優しいカルロが義父になるなら超ありがてぇと拝んでしまう。
家の事情…それぞれよねぇ……(しみじみ)

中盤のダンスのシーンもとても良かった。
合間合間にまわりの反応に私が「えー?」となることもあるんだけど(ゲイに女の家事取られるわねぇー的なやつだったかそんなニュアンスのやつとか)、多分それがこの世のよくあることなのだろうと思うと良くも悪くもそのまま描いていたのかなと思ったり。
これは私が何も困っていない立場なので観れるけれど、当事者の人からしたら映画の中ですらわざわざ野次を浴びることもしたくないと思うのでは…とか考えたり。
とにかくカルロカッコいいんだよね…すすめる点があるとしたら、そこだな……。

こういうのはなかなかパンフも出ないだろうしと思ってパンフも買ってしまった。


みんな愛だよねハッピーというふんわり展開になりそうなところだったけど、終盤の中に「同性愛を嫌悪するのはする側の問題だ!」とカルロがハッキリと言うシーンがあって良かった。
もうほんとそこがとても良かった。
最後まで嫌悪する側の人間が野次を飛ばしてくるのがキツかったけど。
息子はよくわからんうちに結婚を受け入れていたけども。そんなするりと受け入れてくれるなら良いのに。


エンドロールの、携帯カメラで撮りました!なお式の模様が最高にほっこりした。
あぁいうエンドロールめっちゃ好きマン!!!


この作品が2019年に公開されてロングランしたとか、こういう風に真摯に撮ってくれる人たちがいるのは羨ましいなぁと思った。


そういえばトニの元妻(?)が胸元にトンボの形をしたモダンな大きいブローチ付けてて「うわーこの人たち本当にお洒落なハイセンスな社会に生きてるんだなー」となんとなく思った。
なかなかアレを付ける人は一般的にはいないだろうと思ったよ。
センスが違うわぁ〜
あける

あける