他のイタリア映画とは異質な乾いた笑いが新鮮で、落としどころも上手く楽しめる作品。
オープニングのいきなり妻が窓から飛び降りるシーンでハッとさせて、数分後にはこれが「後先考えないギャグ」だと分かるという、なかなか通好みの上手い演出。
他のギャグも放り投げたような感じが気持ち良く、これが脚本のマッティア・トッレの味なのか、彼の遺志を継ぎ監督をしたジョゼッペ・ボニートなのか分からないが、個人的にはこの笑いの作り方はツボだった。
そしてエンディング付近のコスプレがマニアックでニヤッとできる。
落としどころも、ハリウッドなら大団円と持って行くところを、やっぱり衝突しながら子育てを続けるというのは、逆に温かみがありうまい。
日本でも他人事ではない少子化や税金の高さ、年金問題なども上手く取り入れていて、各テーマも上手くまとめられている。
真面目に観ても笑い飛ばして観ても楽しめる作品だろう。
余談。
コスプレがマニアックすぎ。笑
「キルビル」の黄色に黒ラインのブルース・リーファッションの奥さんと「時計仕掛けのオレンジ」アレックスの旦那。
おまけにその浮気相手のレイア姫とジョン・ウェインと来ては、楽しくなってしまう。