SF×オカルト×ミステリーと複合的にジャンルが絡み合っているが、芯は愛の物語（性愛、家族愛どちらも）にある。
「人が人足らしめるのは何か？」クローンやアンドロイド系のストーリーでよく用いられるテーマが本作でも重要視されている。記憶や思考を再現することで人格を別人に引き継ぐことが出来るRNA技術。それによって別人に魂を写した（移した）場合、その人間はオリジナルと同質だといえるのか。技術を使用したワン会長と主人公•チャオとの対比がその問いに奥行きを与えていた。
オカルト要素をブラフとしてSFに舵を切るのではなく、呪いも呪いとして成立させる余地を残しているのが素晴らしい。
