S510

Acharya(原題)のS510のネタバレレビュー・内容・結末

Acharya(原題)(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

チャランさんバースデー上映会にて、粗筋だけ読んだ上でテルグ語音声の英語字幕で鑑賞その2。
同じく英語字幕が読み切る前に消えていたのだが、話が単純だったので半分くらいは理解できたと思われる。それを踏まえた上でも前半はとてもとても退屈で、チランジーヴィさんとチャランさんは声がとても似ているな、という印象しか残らなかったが、後半はその分とても楽しかった。

前半だけの評価なら3を下回るほどの面白みの無さで、冒頭の伝説の件は自分が全く英語字幕に追い付けず内容もさっぱりだったので評価から割愛するにしても、あまりにも内容が時代遅れで、似たようなカットでのアチャリヤさん活躍シーンが連続し、お決まりの素敵な女性に見惚れてからのダンスシーンも新鮮さがなく退屈極まりなかった。
自分がチランジーヴィさんのファンではないからより魅力を感じられなかったのだと思うが、たとえチャランさんが演じていても面白いとは思えなかったと思う。
途中からチャランさんはいつ出るんだろうとしか考えられず、次はシッダのターン!で前半が終わってしまった時は拍子抜けも良いところだった。


物語が遅々として進まない前半の退屈さから一変して、後半はシッダくんの生い立ちからサクサクと話が進み、彼の生真面目な高潔さを瑞々しく描いていてようやく物語に引き込まれた。一目惚れではなくちゃんと関係性を築けているヒロインも個人的に好みだったので、両想い同士がちょっかいを掛け合ってキャッキャしているロマンスシーンも微笑ましく見られたし、最終的に壁ドンされる側のシッダくんには笑ってしまった。

シッダくんピンチからのアチャリヤさんたちによる救出には突飛さが否めなかったが、アチャリヤさんとシッダくんの関係性は親子共演も相俟って素直に胸が熱くなったし、2人のダンスもアクションも格好良く楽しかった。前半とはダンスの種類も全く違うスタイリッシュなものになっていて、銃を使った振りも良かった。
2人があっさり悪人を殺して互いに責め合うシーンはギャグシーンとしてはあまり成功していたようには思えなかったが、アチャリヤさんとシッダくんが楽しそうで何より、という印象だった。


シッダくんがゲリラ軍を離脱してからの敵を殲滅させるアクションもめちゃくちゃ格好良かったし、合流してからのアチャリヤさんがシッダくんを持ち上げるシーンも良かった。
シッダくんがアチャリヤさんを庇うのは当然で、シッダくんの死は前半のアチャリヤさんの素振りから決定事項だったのでそうだよな、という結末だったのだけれど、後半はゲリラ軍での描写がメインになっていたのでヒロインや育ての親御さんはとても気の毒だった。
門で倒れたアチャリヤさんの元に現れるシッダくんの佇まいが素晴らしく、チャランさんのいつもは雄弁な瞳が何も語らずただ静かにそこに在る様が個人的にとても好きだった。最後の戦闘自体は正直盛り上がりにかけていて、ラスボスがあまりにもあっさり死んでしまったのでそこは残念だった。

全体的に脚本の古さは如何ともし難い印象で、シッダくんの好感が持てるキャラクターや、後半の親子共演はとても魅力的で個人的には好きなのだが、映画の内容自体は面白いとは決して言えない作りだった。
こちらも日本語字幕で観られる日が来ることを願うが、この作品に関しては複雑な構成が無い分、英語字幕で見るにはハードルが低くて良いのではと思う。
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