kazu1961

草の響きのkazu1961のレビュー・感想・評価

草の響き(2021年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-137
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋『そこのみにて光輝く』『きみの鳥はうたえる』など全くハズレのない佐藤泰志原作の映画化作品、本作も期待を裏切らない作品でした。自律神経失調症と判断された主人公和雄(東出昌大)が医師の勧めによって、ひたすら走ることを日課として走り続け、そして自らの苦悩乗り越えようとする物語。そして夫婦の再生の物語。ずっと毎日走り続けるその姿をどう理解するかは観るのもに委ねられています。私はきっと“良くなりたい!!”“明るい人生を歩みたい”という希望を持って走っているのだと。。。

🖋東出昌大、とても辛く重たいそんな状況でもがき苦しむ主人公和雄をその心情描写を含めとても巧く演じています。そしてそのもがき苦しむ主人公和雄を見守り応援し、でもやはり自らも苦しいそんな妻純子を奈緒が見事な演技で魅せてくれます。

🖋原作の佐藤泰志も函館出身、全編函館を舞台に函館ならではの空気感が全編にわたりまとっているのも印象的です。題材はとても冷たく、でも登場人物たちは温かい、そんなバランスに函館はピッタリだと思います。

🖋若者の自殺のシークエンスや主人公自ら発作のもと、多くの薬を服用してしまうなど、死生観も垣間見えるある意味深い作品です。妻純子、夫和雄のそれぞれのラフトシーンでの行動はいくつかの解釈ができる。。。これも観るものに委ねられている素晴らしいラストですね。

😢Story:(参考: yahoo movies )
心を病んでしまい、妻・純子(奈緒)と故郷の函館に戻った和雄(東出昌大)。精神科を訪れた彼は、医師(室井滋)から治療としてランニングを勧められる。雨の日も、風の日も、決まったコースを走っては記録をつけていく和雄。慣れない土地で暮らすことに不安を感じていた純子も、ひたむきな姿を見て彼を理解しようとする。走ることで心の平穏を見いだすようになった和雄は、路上で出会った若者たちと奇妙な絆を育む。

🔸Database🔸
・邦題 :『草の響き』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 2021
・日本公開 : 2021/10/08
・上映時間 : 116分
・受賞 : ※※※
・監督 : 斎藤久志
・脚本 : 加瀬仁美
・原作 : 佐藤泰志
・撮影 : 石井勲
・音楽 : 佐藤洋介
・出演 : 東出昌大、奈緒、大東駿介、Kaya、林裕太、三根有葵、利重剛、クノ真季子、室井滋

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「そこのみにて光輝く」「きみの鳥はうたえる」などの原作で知られる夭逝の作家・佐藤泰志の同名小説を、「寝ても覚めても」の東出昌大主演で映画化。心のバランスを崩し、妻と一緒に故郷・函館へ戻ってきた工藤和雄。精神科の医師に勧められ、治療のために街を走り始めた彼は、雨の日も真夏の日もひたすら同じ道を走り続ける。その繰り返しの中で、和雄は徐々に心の平穏を取り戻していく。やがて彼は、路上で知り合った若者たちと不思議な交流を持つようになるが……。慣れない土地で不安にさいなまれながらも和雄を理解しようとする妻・純子役に「マイ・ダディ」の奈緒、和雄に寄り添う友人役に「明日の食卓」の大東駿介。「空の瞳とカタツムリ」「なにもこわいことはない」の斎藤久志が監督を務めた。
kazu1961

kazu1961