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草の響きのssr701のレビュー・感想・評価

草の響き(2021年製作の映画)
2.5
まったく事前情報なしで視聴してみました
主演は東出昌大ってのも
知らない状態でした

東出は
心の病気にかかったようで
医師の室井滋からあれこれ質問をされています

「自分をダメな人間と思うことは?」
「死にたいと思うことは?」

グイグイと東出の心の傷をえぐってきます
口調もややキツめです
東出は演技を超越した何かを発揮して
苛立ちながらため息まじりに「…はい」と答えるしかありません
室井先生は攻撃の手をゆるめません

室井「仕事上のトラブルは無いですか?」
東出「はい」
室井「本 当 ? 本 当 に 仕 事 上 の ト ラ ブ ル は 無 い で す か ?」
東出「………ありました」
室井「何を考えました?」
東出「性格を変えたいと思いました
正反対の僕にならないと助かる道はないと思いました」

性 格 …そうかもしれませんね
とりあえずランニング療法をすすめられ
走りまくることで発散することになります

ところで東出の友人役が大東駿介なのですが
えーっと…この方もあれこれ報道がありましたよね…
奇跡的な組み合わせですね…
どうも2020年1月に東出 6月に大東の
女性問題の報道があったようです
本作品は2021年10月公開ですね うーん…

まあ気を取り直して行きましょう
さてその東出の奥さん役は奈緒ちゃんです
その奈緒ちゃんがかわいらしい笑顔で
かわいらしいお話をしてくれます
「動物の中ではキツネが一番好きなんだよね~」
しかし東出は無視して寝てしまいます
どうして… どうして奥さんを大事にしないんだお前という奴は!
と早々に画面をぶち割って引きずり出したくなりますが
ここは我慢して視聴続行です
奈緒ちゃんのきつねダンスの特典映像は円盤にも無いようで残念です

この作品は東出のエピソードとは別に
スケボー少年が主役のもうひとつのエピソードも並走しています
彼は泳げないのですが その友達の方は北海道から本州まで
泳げると豪語するほどのスイマー少年です
吉川晃司すかんぴんウォークのリスペクトでしょうか?
お互いが得意なことを教えあおう!と約束しますが
水泳シーンはこれ以降出てきません うーん…

そのスイマー少年が
スケボーで飛び越えるための長い大木を運ぶために
近くで働いている姉から台車を借りてきます
(なんか無駄に長い木でしたね 
もっと適当な飛び越えられるもの無かったのかな…)

弟は姉に対して
用が済んだから帰れとばかりにつれないそぶりを見せます
しかも「ビッチ」呼ばわりです
ここにも女性を大事にしない奴がいました!許せません!
…でもコンビニか弁当屋かの制服に超ミニスカという
組み合わせは確かに無駄にエロいのでスケベ姉さんと
呼ばせてもらいますね(←ひどい)
こんなの品出しをしてる時に別のものもチラッと出してしまうこと
間違いなしです!
純朴な同僚たちや
お客様の心をもてあそばないでいただきたいです!

…それはさておき…
スケボー少年はスケベ姉さんとスケボーを通じて
仲良くなっていくのでした
ミニスカに黒のロングコートとかもう純情なボクは集中できません

ふたつの話はどうつながるのかと思いきや
まずは奈央ちゃんが犬の散歩中にスケベ姉さんと知り合います
なんかたわいもない話で終わります
これまた うーん… って感じです

次にランニング中の東出と
スイマーとスケボーとスケベが遭遇
スケボーはわけもなく走り出し東出と並走します
スイマーは疲れて脱落です 本州まで泳げる体力があれば
ある程度走れそうなもんですがやはり嘘だったのでしょう
彼らはランニング仲間としての交流をすることになります
たいして会話はしなくて
基本は走ってるだけです

スケボー少年はもともとバスケ部だったのですが
部活を休んでドスケベ姉さんと遊んでたことを
部員たちにからかわれ暴力まで受けてしまいます
そして崖から海に飛び込んで対決!
ということになるのですが
近所のおじさんに止められてここの件はあっさり終わります
引っ張っといてなんやこれは…

このあと奈緒ちゃんの妊娠が発覚
東出は煮え切らない態度を見せて喧嘩になってしまいます
チュッチュしようとしてきた東出から奈緒ちゃんが
するりと逃げ出した時は思わずよっしゃ!と言いたくなりました

スケボー少年もスイマー少年とちょっとしたことで
喧嘩してしまいます
会えなくなって悲しみに暮れるスケベ姉さんを慰めようと
たくさんの花火を打ち上げて
弟は姉を肩車してグルグルと走り回るのでした
え… えーっと…(絶句)

東出はそのあと改心したらしく奈緒ちゃんは
嬉しそうに東出の両親にそれを報告します
そこそこ時間を割いて喧嘩シーンを撮ったのに
その改心して家事をあれこれ手伝った姿は
奈緒ちゃんの口から語られるだけで
描かれませんでした うーん…
まあ病気もいい方向へと回復しているようなので
良しとしますか…

ところがスケボー少年が崖から海へとダイビングして
亡くなってしまった!!!ということを知り
東出は激しく動揺します

ただ一緒に走ってただけの仲のわりには
彼を支える何かだったのでしょう
彼は友人の大東を呼び出します
病院に行くのにも電車には乗れない
タクシーの中で暴れたら殴ってでも止めてくれ
食事なんか無理だ店にも入れない
などというレベルの動揺と混乱っぷりです
ついには立てなくなり泣きじゃくります
大東は「パンでも買ってくるからここで待ってて」
と情緒不安定な東出を置いて行ってしまいます
大丈夫なんでしょうか
そんな状態で置いて行って…

すると東出はやっぱり走ってどこかへ行ってしまいます
待てっていったのにこいつも崖から
飛び降りて死んでしまうのか…? と思ったら
なんと!このシーンはあれから1年後のことでした
ええぇ…?

「あの時は病院に連れてってもらったなあ~」
「パンを食べてたらラジコン飛行機が飛んできたよな~」
なんて談笑して説明を始めます
いやいやいや… いくらなんでも雑でしょ…
ジャンプの打ち切りマンガですかこれは

1年が過ぎたとか言ってたのにまだ子供が産まれてないから
最初の妊娠発覚は間違いだったのかな
妊娠発覚前に一度話が戻ったのかな?
なんかよくわかりません
5か月まで話が進んでそれ以降1年が過ぎたように
思えるのですが…?

東出の病状は良くなって穏やかになったように見えましたが
子供が産まれることに対する不安でしょうか
一気に薬を飲んで自殺を図ってしまいます
何とか一命をとりとめるのですが
(自分の知り合いはこれをして亡くなってしまったので)
なんともつらいシーンでした

ドラマや映画ではこうやって助かることの多いシーンですが
軽々しくマネをしたりなどしては欲しくないですね
助からないことも多いのです
ここで彼は知らないうちに
目が覚めたかのように描写されてましたが
おそらくはそんな簡単じゃないんじゃないかな
胃の中のものはすべて出されるんだろうし
そうとう辛いものだと思います

入院することとなった東出を
奈緒ちゃんは見捨てることなく
面倒を見続けてるようですが
やはり割り切れないものがあって
その表情がすべてを物語っています
彼との出会い 好きになった理由を話し
今は何でこうなってしまったんだろうと
複雑な思いを吐き出します

奈緒ちゃんは東京に帰ることになります
スケベ姉さんと再会しますがやっぱり
とってつけたようなどうでもいいシーンとなりました
どうも何かが起きては別に大したことない
展開になるの繰り返しだなという印象が強い作品です

東出は奈緒ちゃんの留守番電話へ
今までの反省とこれからの展望を語って吹き込みます

…が病院を脱け出して走ってどこかへ行ってしまいます
医者だか介護士だかが目を離したので
これはあかんわと思ったし
簡単に逃げられる柵の低さもこれまたダメだこりゃ
と思いました

そんで走って逃げて終わりです

そう「え?これで終わり?」のパターンです
もうどうせならドカベンのアニメみたいに
劇画チックになって静止画になるとか
トムとジェリーみたいに黒画面になってから
丸囲みのワイプから
首をにょっきり出すとかして終わってほしかったです



東出の演技 セリフ回しに酷評がよく聞かれますが
本作品ではそういう場面は無かったと感じました
特に落ち込んで泣くシーンは
(話の流れ上は唐突感があったのですが)
その怯えて震える姿を単体で捉えて思い返してみれば
真に迫るものがあったなと思いました

おそらく なのですが
こういう心の病気って 一進一退で
良くなったように見えて 一寸先は闇で
そう簡単なことじゃない 薄氷を踏む思いというか
何がきっかけで いつどうなるかわからないよ
ってことを伝えたかったのかな
それが根底にあるように自分には思えました

ただ作品として見たときに
ふたつの大きなストーリーの流れは
ちょっと行き当たりばったりで
うまく融合したとは言えないのではないかな
と感じましたね


まあふざけてるのか真剣なのか
どっちともいえない中途半端なレビューを書くような奴に
言われたくないでしょうけどね… 失礼しました

余談
東出のお母さん役の人がゲーム「街」に出てきた
七曜会の「日曜日」のお姉さんだと知ってちょっとびっくりしました
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