ぽるの

Save Ralph(原題)のぽるののネタバレレビュー・内容・結末

Save Ralph(原題)(2021年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

動物実験は残酷だと思うけれど、仕方ない。昔、おしろいには鉛が入っていて多くの人が死んだのは特に有名な話。
動物実験のように残酷なものを使いたくないのなら、化粧品を使わないか健康被害を諦めるという選択肢しかない。
医薬品等の動物実験は基本的に皆仕方ないと考えてると思うけど、化粧品のような生活に絶対必要な物でない物に動物を犠牲にするなんて……!と考えてるのだとしても、化粧品に限らずとも娯楽で動物の生活環境を破壊している事も多い。ゴルフ場を作って動物が住む場所を追われるなど。人間は動物を侵害して生きているし。動物保護を優先して人間を娯楽の禁止で縛り侵害するのも間違っていると思うし。
化粧品等の動物実験を知らずにこの映画で初めて気付いた人が多いのも驚きだけど、上に書いた問題を知らない人は居ないはず。この問題を知っているのならある程度問題視し考えた経験はあるはず。ならば既に自分の考えはある程度固まっているのでは……?それをしっかり考えた事もないのは、あまりに短絡的。
私の感想は「(化粧品を生活に絶対必要な物でなく娯楽の代表として扱っていると見て)娯楽のために動物が侵害されるのは間違ってる」って主張に大きく括った上で、あんまり心に響かなかった。
「動物が悲惨な目に合うのは間違っていると思う。だから小さな事として、まず動物実験の行われていない化粧品を使うようにしよう」って感想は理解できる。だけど、ほとんどの人はこの悲惨な見た目のせいで「動物実験の行われていない化粧品を使う!」って脊髄反射のように叫んで、目先の情報に踊らされているのではないかと見ていて不安になる。特にSDGsなんて大仰な目標を持ち出しているのに他の動物侵害について触れてない人、視野が狭いのではって思ってる。
プロパガンダ映画を見て思考のきっかけにするのは良いけど、今まで動物侵害について何も語らなかった人が急に偉そうになるのがとても気分が悪い。

映画自体は短い中で悲惨さを押し出して良かった。それにプロパガンダムービーは制作者の夢とか熱意とかわくわくする感じが伝わってくるからかなり好き。主張には全く共感しないにしても。
ぽるの

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