カズザク17

ひまわりのカズザク17のレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
3.8
太陽の光をいっぱい浴びた「ひまわり」と、四方を雪に囲まれた極寒の「ロシアの冬将軍」が、季節が違うだけで、同じ場所である事に不思議な感じがする。眩しく咲き誇る「ひまわり」の下に、戦争で…と言うよりは、寒さ、体力消耗、飢えで亡くなった多くの人が埋められているという事実が、コントラストのギャップが、何だか不気味で怖すぎる。
国のトップが勝手に始めた戦争に、翻弄される多くの人が居る。戦争で亡くなった人、行方不明になった人、捕虜になった人。家族を失った人、家族の帰りを待っている人、待っている家族の生死がわからない人。生死の狭間を彷徨い、運良く生き延びて、運良く安心出来る場所を見つけて、異国の地で新しい人生を始める人もいる。新しい地で「幸せ」を手に入れたのと同時に、故郷の地で「幸せ」を失った人がいる。時間の経過と共に、それぞれ新しい「幸せ」を手に入れたとしても、過去の「幸せ」に対する罪の意識は消える事がない。いろんな意味で、やっぱり戦争は「罪」である。最近、この映画の舞台の近くで戦争が起きているけど、早く終わる事を願う。