とり

ひまわりのとりのレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
4.3
名画座でフィルム上映をしてくれたので観る機会がありました。
すわソフィア・ローレン特集か!?と思ったけど、次回予定作を見るとどうやらマストロヤンニ特集。でもやっぱりひまわりと言えばローレンでしょう。マストロヤンニそんなに好きじゃないし。
映画自体は何度か観てるけど、大スクリーン、フィルムでは初鑑賞。
もう冒頭の一面のひまわり畑とマンシーニの音楽で気分が盛り上がる。
メロドラマと言ってしまえば確かにそうなんだけど、主演の2人が素晴らしすぎてただただ引き込まれてしまいます。
何回観ても色あせない良い作品だな~と思うし、映画史に残る名シーンもたくさん。はかなげな映像美も。
何度観てもこの後どうなるか知っていても、というかむしろ知ってるからこそ心に響くんですね。
オムレツのシーンが大好きです。
新婚の2人が楽しそうに作業するところ。映画前半ラブラブ幸せでいっぱいの中でもひときわコミカルで微笑ましいシーン。
このささやかな幸せが後にずっしり重くのしかかってくるんですよねー。
実際の戦争でもこんな悲しい出来事がたくさんあったんだろうな。
全体的にセリフが少なめで、俳優さんの演技力で表現しきってるところが凄いと思う。
もちろん細かい演出で情緒を醸し出してる部分も見受けられるけど、その演出を生かすも殺すも俳優次第ってところでしょう。
ローレンの旅(執念)、ロシアの家でのあまりにも悲しい出来事(静)、その後の人生(激情と生きる力)などなど、上手く演じ分けていると思う。
劇場で鑑賞できてほんと良かった。
エンドロールがろくになくすぐに照明が点くのがちょっとせつない。
たった一つ残念でならなかったのは音声がイタリア語ではなく英語吹替え版だったこと。
入り口の注意書きにフィルムの状態が悪く急遽吹替えになったとあったけど、ほんと残念でした。
北千住シネマブルースタジオ
とり

とり