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片袖の魚のakihiko810のレビュー・感想・評価

片袖の魚(2021年製作の映画)
3.6
34分の短編映画。トランスジェンダー可視化の日(3/31)を記念して、THEATER for ALLで3日間限定で無料配信

新谷ひかりは、実直に働く真面目な女性だったが、ときおり周囲との間に言葉にできない壁を感じることもある。それでも自分のことを理解してくれている友人や上司、同僚たちに恵まれ、東京で一人暮らしを送っていた。そんなある日、出張で故郷の街を訪れることになったひかりは、高校時代の同級生・久田敬に現在の自分の姿を見て欲しいと考え、不安がいろいろと頭をよぎりつつも勇気を出して連絡するが…。

主人公のトランスジェンダー女性を、実際のトランスジェンダー女性が演じる。
作品内容としては、短編とはいえ、「普通かな…」な感じはする。LGBT差別の「入口」を描いた作品というか。
深読みすれば、その「普通さ」が日々マイノリティの人たちが受けている「加害」なのかもしれない、と考えると、結構深いところまで考えられているのかもしれない。
演出としては、水槽などの「音」が効果的に使われていて良い。

マイノリティ役を当事者が演じることについて、どれだけ意義のあることなのかは自分はよくわからないが、その一歩となりそうな作品ではある。
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