このレビューはネタバレを含みます
高額な聖書やカトリック事典を訪問販売するセールスマンのドキュメンタリー。教会のミサ等で、興味のある人に住所と名前を書いてもらい、後で訪問販売しているらしい。
訪問販売のお客は、裕福な家庭ではない。部屋代にも困っている家庭に、商品を説明し、何色の聖書がいいか、分割でいくら払えるか、買う前提で話していく。
一番、印象に残ったシーンは、奥さんが聖書の購入をしようとセールスマンと支払いのやりとりをしていると旦那さんが
「ビートルズが気に入っているんだ、レコードよりもテープの方が音に丸みがあって、いいんだ」と話し始め、ビートルズのテープを流すのだが、本物のビートルズではなく、インストだけのスーパーで流れるようなヤツで、音が歪んでいて、微妙に不気味。セールスマンの説明にかぶるように流れて、奥さんは聞き返すからセールスマンの声も大きくなる。このシーンのシュールさはちょっと忘れ難い。
一番、多くの時間写っているのは、一番セールスマンに向いてなさそう男だ。
ドキュメンタリー。