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『セールスマン』に投稿された感想・評価

kou

kouの感想・評価

4.5
出てくる人達のキャラクターの立ち具合の見事さ。本作では主に4人のセールスマンがでてくるが、その立ち振る舞いや言動が面白すぎていつまででも見てられる。それぞれタイプも違うのだが、聖書を売るためにさまざまなテクニックを使う。

面白いのは、やはり物質主義、資本主義を体現するような なセールスマンという職業と、宗教の組み合わせ。彼らはキリスト教を布教したいわけではなく、ただ単純に聖書を買ってほしいだけなのだ。

彼らが訪問する先は貧しく、1日1日を生きるだけでも必死であるのに、そこに強引にセールスをかける。しかし、売っているものは聖書。この矛盾するような、対立するような構図が見事だ。

とくにポールという男がセールスが落ちていき、不満や怒りが溜まっていく所が印象的だ。彼の結末まで含めて、やはりドキュメンタリー映画ではあるが、編集で紡いだ意図のある作品と言えるだろう。色々な意味で刺激的で、そして見終わった後心に残り続ける作品だった。
TS

TSの感想・評価

3.6
【聖書の訪問販売】77点
ーーーーーーーーーーーーー
監督:メイズルス兄弟、他
製作国:アメリカ
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:91分
ーーーーーーーーーーーーー
 中々気になっていたのでDVDを購入しました。豪華版聖書を淡々と売っていくセールスマンに焦点をあてたドキュメンタリーであり、シンプルにそのやり取りが面白かったですし、半世紀前のアメリカ社会の事情を垣間見れた気がしました。なんというか、宗教の悪いところが出ていると言いますか、買わないとバチが当たる、というような感じはいかがなものなのか。そもそも聖書で儲けることに対しても様々な意見があるでしょうし、また実際に買わないことによる罪の意識を感じている人もいるため驚きです。なので、作風としては淡々としてますが、色んなことが見えてくる作品であると思われます。

 キリスト教の聖書は、言わずもがな世界で一番売れている書籍であり、それは今も変わらないでしょう。そんな中、聖書販売会社のミッドアメリカン・バイブル・カンパニーのセールスマン4人が、豪華版聖書を片手に色んな家庭を訪問していきます。さて、この豪華版聖書の値段なのですが、様々な挿絵がついており、表紙なども高級感溢れているため、大体50ドルくらいのようです。なんだ5000円くらいかと思うととんでもない。当時の物価で換算すると日本円で恐らく5万円は下らないと言えます。確かにそりゃやべえわ。いくら本が好きでも、聖書を真摯に読む信者でも5万円は中々の出費。しかも、彼らが訪問する家庭は、キリスト教にゆかりのある方々が住んでいるところ。教会が情報を与えているということで、今の倫理観ではアウトなような気もしますが、このセールスマン達もお金に困っていて必死です。今作はドキュメンタリーなので、生々しい交渉シーンが幾度となく映されます。カメラが回っているのに全く気にしないお互いの様子。買いたいけど真剣にお金が足りないから悩んでいる家庭、興味がなく門前払いをする家庭など様々。4人のセールスマン達は個性溢れており、巧みな話術で何とか聖書を購入してもらおうとしていきます。

 話は変わりますが、僕は営業職が苦手でして、特にこの訪問販売をする人の気が知れないです。いや軽蔑しているのではなく、純粋に凄いと思っています。鬼のようなメンタルを持っていないと出来ないことでしょう。確かに歩合制なのですから、命懸けでやっていかないと食べていけなくなります。今作が面白いのは、やはり聖書の訪問販売に焦点をあてていることでしょう。これが最新の掃除機とかの訪問販売ならばそれほど面白くない。信者にとってのまさにバイブルである聖書でゆさぶりをかけているのが興味深いのです。消費社会のアメリカ、そしてそこに根付くキリスト教精神の生々しさを垣間見た気がしました。一番面白かったのが、セールスマンの1人が必死に最初から説明をしていて、客が最後まで話を聞いていてイェスイェスと言っていたのに、最後に「買われますか?」と聞いて即答でノーと言われたところです。失礼ながら爆笑してしまいました。苦労の説明が水の泡ですよ。。

 売れれば上機嫌になりますし、売れなければこんな街もう来るかと罵倒しますし、見ているこちらがややヒヤヒヤしてしまう状況です。ということで、淡々としていますがなかなかお目にかかれない唯一のドキュメンタリー映画と言えるでしょう。面白かったです。
メイズルス兄弟伝説のドキュメンタリー。買わない奴は地獄行き、聖書の訪問販売という究極のビジネスに迫った作品。暴き出される宗教の欺瞞性と矛盾。資本主義の前では神の威光など無に等しい。すべては金の前にひれ伏す。現代の価値で350ドルの高額聖書を売りつけられるのは低所得者層ばかり。どうしても昨今の統一教会を思い出してしまう。1969年当時はちょうどアメリカが大量消費社会に突入する初期段階だったのだろう。資本主義の歴史の一ページとして非常に資料的価値の高い作品だと感じた。
上映後想田和弘さんのトーク付き。メイズルス兄弟が映画制作に当たって重要視していたこと、フレデリック・ワイズマンとの制作姿勢の違いなど貴重なお話が聞けました。

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