イチロヲ

その男、エロにつき アデュ~!久保新二伝のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
下半身主導型の放蕩生活を送っているピンク俳優が、性産業の荒波を渡り歩いていく。1966年デビューのピンク映画俳優・久保新二(異名「ポルノの帝王」)の半生を描いている、オリジナル・ビデオ作品。ピンク映画の精鋭部隊が製作に関わっている。

クボちんが本人役で登場する現代パート(インタビュアーは村西とおる)と、昔の出来事を回顧する過去パートを交錯させるスタイル。故人となった盟友がイラストで登場したり、当時のスチール写真がアイキャッチ的に挟み込まれたりする。

俳優活動開始までの流れが大雑把なため、クボちんの人間性がボヤケたままになっているが、ピンク映画の撮影とピンク芝居の舞台劇が始まると、それなりに訴求力が高まる。クボちん役を演じる久保田泰也の形態模写も見どころ。

しかしながら、門戸が開かれている作品かと言われたら、それはまた別の話。ピンク映画に対するリテラシーが必要とされる作品になっており、ベテランの池島ゆたか監督が久保新二の人間力に翻弄されているような印象を受ける。
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