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バーダー・マインホフ 理想の果てにのmhのレビュー・感想・評価

5.0
ドイツ赤軍初期の群像劇かつ実録映画。
ファーストカットはヌーディストビーチ。世は世界革命の真っ最中。
中盤は彼らの起こしたテロ事件の数々。新規メンバーとうまく交流がとれない終盤という構成。
1967年から十年間と長い期間を扱っているためテンポが早い。その中にはスピルバーグの「ミュンヘン」も含まれており、しかもあっという間に駆け抜ける。
スタイルのいい役者さんが揃ってて、ファッション性も高くって、撮影もやたらきれい。なにこのドイツ映画と思っていると「クリスチーネF」の監督さんだった。
テロリスト映画の傑作「カルロス」のドイツ版みたいな雰囲気もあるんだけど、それよりかはおしゃれではない。だけどそれがまた素晴らしいさじ加減となっている。
被害者も多いので口幅ったいのだが、アクション映画としてくそかっこいい。
革命細胞のみなさんは一切出てこないあたりに、当時のテロリスト界隈の規模も見て取れる。
主要メンバーのアンドレアス・バーダーを演じている役者さんは、同じ役で「ミュンヘン」にもでてるんだって。覚えてねー!
エンテベ空港奇襲作戦が1976年とのことなので、この頃はもうドイツ赤軍は解体寸前といった状況だったのかな?
デモの最中、「ドレスデン、ベトナム、ヒロシマ……」とつぶやいていたひとがいた。
当時の空気がうまく再現されているように思えて、至福の時間だった。
面白かった!
mh

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