もけ

バーダー・マインホフ 理想の果てにのもけのレビュー・感想・評価

3.4
友達におすすめされて鑑賞。
これをおすすめする方のセンスもすごいが、おすすめされてしっかり見た自分もなかなか頑張った気がする。

ドイツ赤軍バーダー・マインホフの結成から凋落までを描いている。
第二次大戦関係と東西冷戦、東西統一後あたりの映画は結構見てきたものの、この時代のものはあまり見ていないので(フォレスト・ガンプはあっさり気味だと思う)予備知識がなくなかなかすんなり飲み込めない部分もあった。
しかし、当時のニュース映像が挿入されるシーンを見て、激動の時代だということがよくわかった。

組織がどんどん過激化していく過程や、主要メンバーが投獄されてから、第二、第三世代のメンバーが暴走していく様は非常に興味深かった。
ドイツの映画は、こうした人間組織が荒れ果てていく姿を緊張感を持って描くのがうまいので好きだ。
人間が美しくない。むしろ醜い。その描き方が好きだ。
バーダー・マインホフのメンバーは、誰一人としてキレイに描かれておらず、引いた立場で見ていると、常軌を逸しているとしか思えないのだが、時代や思想、組織の渦に飲み込まれて後戻りできないまま過激化する様は、人間としてまったく理解不能というわけではなく、一歩間違えれば誰でも同じようなことをしかねないであろうし、時代が背中を押したらそうなるかもしれない。

決して楽しく見られる映画ではないのだが、終始惹きつけられるものがあり、150分と長めながらきちんと見られた。
この辺りの時代のことももう少し勉強しようと思った。
鑑賞後の達成感がすごい。
いい映画見たなあという感じ。

女性メンバーも銃をもってがんがん戦ってる姿には、ああ、なんかすごいなぁと思いました。
もけ

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