イチロヲ

バーダー・マインホフ 理想の果てにのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
左翼思想家の女性記者ウルリケ・マインホフが、反体制運動家の青年アンドレアス・バーダーと共に過激派グループを設立する。ドイツ赤軍(1967年活動開始)の暗躍を描いている、実録系サスペンス・ドラマ。

アメリカのカウンター・カルチャー(若者の反体制精神)が飛び火するようなかたちで、革命の嵐が同時多発的に巻き起こっていた時分の物語。日本においても、同時期に連合赤軍が活動を開始している。

首謀者のアンドレアス・バーダーが単なる荒くれ者であり、頭脳明晰なリーダーを有していない過激派グループと化しているところに関心が高まる。「往々にして、過激派ってこういうものだよね」という落ち着いた目線での考察が促される。

本作は、ドイツ赤軍の反体制運動と当局による弾圧行為を記録映像風に描いたもの。テロリズムの真理を汲み取らせる内容ではない。当時の赤軍の原動力と存在意義を識るためには、別途文献などで考究を深める必要がある。
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