シガーandシュガー

降霊会 ー血塗られた女子寮ーのシガーandシュガーのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

ぜんっぜん期待しないで観たのでかえってものすごく楽しめた。
何よりも転校生として現場に入ってくる女の子がいい。ボーイッシュなきれいめさを普通の女子の出で立ち(ロングヘア、スカートの制服)に紛れさせているのがよかった。ルックスからいい感じなのにお嬢様学校に来れる環境の娘にはない荒み方をうまく出していて、この転校生がただの被害者、怖がる側のみに終わらないだろうという展開に期待できた。

で、女子校の陰湿な空気、ティーンにありがちなオカルト趣味、うさんくさい校長と用務員などは定番としても、若い女子高生たちがさまざまなタイプのかわいさがあって、これはこれでまったく飽きなかった。ルックス的にいい女優を集めてると思う。ホラーを期待していると確かに肩透かしなんだけれども。
で、オカルトと殺人はどうも別だと(鑑賞者の中で)判明するのは早い。なので途中からはサスペンスに切り替えて鑑賞するわけだけど、犯人は一部わかりやすくて一部予想外、という感じ。まあでも犯人が犯行に至るまでの理由はよくあるものなので特に抵抗はないし、伏線もあったなと思わなくもない。

オカルトとしてもミステリーとしても目新しいものはなくてティーン向けの娯楽作品ではある。
が、ラストの主役と寮友の交流は、ナイーブな時期の女の子にはこの映画を他の作品とはちょっと別の存在に位置づける可能性があるのではないかと思う。
私にとっては、主人公カミーユが片手を小さくあげて別れを告げる場面は、ルイ・マルの「さよなら子供たち」ほどではないにしても、一瞬それを思い浮かべる程度には私の琴線には触れた。

傑作ではないけれど駄作ではない。
未来には忘れられてしまうかもしれないけれど、鑑賞した少女のうち何人かは、大人になっても思い出すことがある作品だと思う。