『何かを追い続ける限り、ただの人にはならないから』
日本代表に選ばれた青年たちが世界の舞台に挑むテレビアニメ「Ｆｒｅｅ！」完全新作劇場版は、人格の半分を失うインフィニティ・ウォーを超える衝撃に仲間たちがアッセンブルし、京アニの大河の結末としてエンドレスゲームが選ばれる青春スポーツ映画の最高傑作。
虚構と現実に思い出が入り乱れるストーリーテリングは劇映画としては完全に破綻するレベルで、絶対にないと分かっていてもタイムリミットが全ての終わりなのかと気が気じゃなく、この後編が何百ｍの先の未来を描いた物語だと知る瞬間壮絶なカタルシスに報われる。
もはや作中で主人公と呼ばれている七瀬遥の芝居は進撃のエレンとかそういう次元に達しており、してきたことは消せなくても役者に歌手としてあの人が魅せてくれたものは消えずに、自分の人生を生きる誇りの証しとして作品があることに僕は最大限の敬意を表したい。
鑑賞記録
2022.04.22
新宿ピカデリー1
→京都アニメーション新作の初日初回だけにある緊張感を求めて集った者たち。これが上映であることを忘れて没入できる作品と劇場が、世の中に一体どれほどあるのだろうかといつも感じる。終わらせたくないって叫びが聞こえて来そうな空前絶後のエンドロール。
