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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のyonemakoのレビュー・感想・評価

4.8
TOHOシネマズ日比谷のTCXという特大スクリーンと音響のシアターで。
ウッドストックと同じ1969年にニューヨークはハーレムで5回の週末にわたって開催されたフェスのテレビ用の記録映像が4時間分。忘れられていた映像が今世紀になって発見されついに日の目を見たという。テクノロジーの進歩という意味では『アメイジング・グレイス』のライブと同じ。
単なる記録の編集ではなく、現在存命中の出演者や観客の回想も交えた構成です。

自分が考える、作品の見どころは4つ。
・スティーヴィー・ワンダー
リトル・スティーヴィーから大人ステーヴィへの過渡期の姿を確認できる
・フィフス・ディメンション
白人に設けるような音楽をやっていることに一部批判があったことがうかがえ、彼らがこのフェスに出たことで意義を感じている様子が伝わってくる
・スライ&ファミリーストーン
『ウッドストック』で度胆を抜かた人も多いと思う。あまりにも時代を先取りしていたスーパーグループの絶頂期の様子が分かる。パフォーマンスの出来は『ウッドストック』を上回るのでは。
・メイヴィス・ステープルズとマヘリア・ジャクソンの熱唱
マヘリア・ジャクソンは1972年に亡くなっていて、この日もあまり調子が良くないのでとメイヴィスに伝えている。貴重なデュエット。

一部ですごいと言われているニーナ・シモンのパートはメッセージ性の強い歌詞に対して、曲調は単調でちょっと眠くなりました。ゴメンナサイ。あと黒人音楽だけではなくプエルトリコとか色々出てきます。当時のニューヨーク市長も登場し、関係が良好だったことがうかがえます。
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