このレビューはネタバレを含みます
タイトルの"誰かの幸せ"、人が人の幸せを心から祝うって、本当に"有り難い"ものなんだなぁって思う、コメディ映画。
とある男女4人のテーブルから映画はスタートする。
デザートを頼む?頼まない?
みんなが頼まないなら辞めておく、
このメニューなら頼もうかな、えっないの?
…4者4様で言いたい放題の会話から、
次第に最も控えめで"優柔不断"と3人からマウントをとられっぱなしだった女性レアが、「私は小説家になりたい。」と言い出したことで、4人のバランスが変わっていく。
販売員として勤務先のショッピングモールで、人間観察をするのが上手なレア。
切り口と文才が相まって、彼女の小説は大手出版社からもスカウトされ、トントン拍子で売れっ子作家に。
まさかのシンデレラストーリーに焦る3人は、
彼女へのマウントを忘れずに行いつつも、感化されて自らも芸術活動をしようと躍起に。
ある意味素直で、自信がない3人だからこそ、手っ取り早くレアにマウントを取ろうとするのですが、
レアが優しい心を持った強い女性ということは明らか。
3人(特にカリーナとフランシス夫婦)の、裏表や器の小ささをコミカル、かつシニカルに描く一方で、
3人にもきちんと成長ストーリーは用意されていて、自分の道を見つけていくのが救いどころ。
個人的にはフランシスが気になりますね、基本は「人は人で良いじゃん」と思いつつも、カリーナとの喧嘩を避けて、同調してあげるという平和主義な一面も持ちつつ、
盆栽のシーンではなかなかのキレやすさで人が変わり、
なんだかんだPDCAを誰よりも早く回して、レストランまで開いちゃうというポジティブパーソン。笑
あとは、カリーナ、フランシス夫妻の子ども然り、
4人の周囲の方々の引いてる表情が毎回面白くて笑いっぱなしでした。
現実世界でも、いますよね、レアみたいな女性を羨んで、マウントとる人々。
マルクは結局、弱い人間で相手のことをみる余裕がないモラハラ男なんですよね、レアには勿体ない。
4人それぞれ愛すべきキャラですが、自分のことが愛せて初めて、相手のことも愛せるという縮図を最も表している映画でした。