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さて、本作は『ゴジラ(1954)』でその名を世界に知らしめた本多猪四郎の事実上監督デビュー{注①}となった短編映画です。
東宝では、監督をやらせる前に短編映画を撮らせてみて、合格であれば晴れて長編監督とする慣例があったそうで、その資格検定試験が本作だったようです。
中華民国の江蔭(現在の中華人民共和国江蘇省江陰市)にて終戦を迎え、半年間投獄後復員。
戦中戦後と苦労したようですが、偉ぶることも激昂することもなく、職人気質だけど穏和で周囲に慕われた人物だったと、多くの人々が語っています。
同じく山本嘉次郎に師事した黒澤明、1953年以降幾多の特撮で組んだ円谷英二とは、終生良好な協力関係であり、友であったそうで、その他ご興味がある方はコチラもご覧になってみて下さい。
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本多猪四郎オフィシャルサイト
http://www.ishirohonda.com/
『ゴジラ』が世界的に認められたのは、特殊技術の円谷英二に拠るところも確かに大きいのですが、その怪獣ゴジラの周りに生きる人々をしっかりとらえたからとも云われていますね。
本編は教育目的の文化映画{注②}ではありますが、伊勢志摩の歴史と暮らしが短いながらしっかりと収められています。
時代が透けて見えるお伊勢さんの様子、「真珠のネックレスで世界中の女性の首をしめる」という口癖を現実のものにした真珠王 御木本幸吉も登場、最大の見せ場であろう日本初の本格的水中撮影ほか、見所いっぱいで惹き込まれました。
本編は↓コチラでご覧になれます。
https://youtu.be/sm_CYqOSSm0 (19:16)
┣━━メモ━━┫
{注①}
本編にて、脚本・演出 本多猪四郎 とのクレジットはあるものの、監督名は記されていない。
{注②}
「文化映画」─ Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E6%98%A0%E7%94%BB