映画男

つげ義春ワールド ゲンセンカン主人の映画男のレビュー・感想・評価

-
つげ義春の漫画の実写化というより、つげ義春というひとりの漫画家を描いた物語という印象。

つげ義春の漫画は、個人的には墨汁で塗り尽くされたモノクロームを想起する。例えば溝口の雨月物語みたいな、あんな世界観だ。だから、「ねじ式」もそうやけどカラーで描かれるとどうもしっくり来ない。とはいえこの作品、美術装飾が最高に素晴らしい。細部までしっかり作られている。紅い花なんて最高だ。ベルイマンの映画みたいだった。僕が前に仕事でご一緒した人も装飾部で参加していた。この人は新藤兼人や大林宣彦の映画にも携わってる。日本の宝。映画はやはり総合芸術やな。
映画男

映画男