こつぶライダー

成れの果てのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

成れの果て(2021年製作の映画)
3.5
身近な人間の闇を描いた、骨太なインデペンデント作品。

宮岡太郎監督はTwitterで認知していましたが、作品を観るのは初めてでした。

ほとんど知らない俳優さんってのが良いですよね。
役者さんのイメージや先入観を取り除いて観ることで、作品を濁りなく味わえる。


かなりドロドロした内容でした。

姉が妹に結婚するかもと報告する電話のシーンから始まる。
その結婚相手がどうやら妹にはトラウマ的な人だというのが伝わってきます。

はじめは背景が細かな説明なく進みます。
次第に会話の中で事情が分かっていくのですが、これがなかなか重たい内容。
しかも、ややこしいのが、過去に妹をレイプした男と姉ができてるとはな〜。
いや、複雑すぎるでしょ!

でも、結局のところは、なんでも自分のものを奪っていく妹から、ようやく取られないものを見つけたのに、罪悪感からか妹に伝えてしまった結果、奪われてしまったというのよね。
皮肉だけど、化粧をして素顔を隠して生きる姉の本音が見えたラストは良かったなあ。

基本的に会話劇なので、役者さんの演技力が問われる形でした。
無名な役者さんとは言えど、そのあたりは流石でした。レベル高い。
特に萩原みのりさん、柊瑠美さんは良かったですねー!
姉妹の関係がぐっとわかるラストは鳥肌もんでした。

味わい深い作品でした!

とにかく今井と小説家志望の女はクソ過ぎたわ。
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