このレビューはネタバレを含みます
冒頭のポップな世界観から一転、終盤にかけてはダウナーな展開。『木綿のハンカチーフ』宜しくすれ違い、離れていく2人の様子は悲劇に近い。
病や障害というアイデンティティゆえに「せっかく出会えた」同類や理解者、それを失うということ。これは結局愛ではなくて、ただ類友だからこその「恋の病」だったのだ、ということだろうか。
朝起きたら強迫性障害が治ってた、が映画ゆえのファンタジーであるのなら、治療(というか運命の悪戯)によって分かり合えなくなった2人はどう愛を育むのか。そこもファンタジーだからこそできる希望の欠片を見せてほしくも感じた。タイムリープからのエンディングが意味するのは、結局諦めなのだろうか。
「病気である権利」という言葉はパンチライン。普遍的というか、より今日的な問いが散りばめられたシナリオだと思う。
異常と正常の口論には少し泣いた。ニッキー・シエが健気で、好演。
なにがビフォーアフターやねん、という副題、、、