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恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜のkunipokoのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のポップな世界観から一転、終盤にかけてはダウナーな展開。『木綿のハンカチーフ』宜しくすれ違い、離れていく2人の様子は悲劇に近い。

病や障害というアイデンティティゆえに「せっかく出会えた」同類や理解者、それを失うということ。これは結局愛ではなくて、ただ類友だからこその「恋の病」だったのだ、ということだろうか。

朝起きたら強迫性障害が治ってた、が映画ゆえのファンタジーであるのなら、治療(というか運命の悪戯)によって分かり合えなくなった2人はどう愛を育むのか。そこもファンタジーだからこそできる希望の欠片を見せてほしくも感じた。タイムリープからのエンディングが意味するのは、結局諦めなのだろうか。

「病気である権利」という言葉はパンチライン。普遍的というか、より今日的な問いが散りばめられたシナリオだと思う。

異常と正常の口論には少し泣いた。ニッキー・シエが健気で、好演。

なにがビフォーアフターやねん、という副題、、、
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