言わずと知れた、あの『カメ止め！』のフランスリメイク版。
ん～、評価は最終的には好みになっちゃうんだろうけど、自分は日本版の方が断然面白かった。
まず日本版では監督はじめ作中の出演者がインディーズ感満載の売れてなさそうな連中なので、あんな無理難題のような状況でも作らざるを得ないという事に納得できたが、フランス版はそんな仕事受ける必要ないじゃんって感じの人ばかり。
登場人物もわざわざ不似合いな日本名にするとか意味分かんないし。
そしてとにかく間が悪い。
そもそも『カメ止め！』は家族愛の物語だ。
仕事でも家庭でも文句言われまくりの父と、マイペースなうえエキサイトすると周りが見えなくなる母と、情熱ばかりが先走って空気の読めない娘というそれぞれ問題を抱える三人家族が、成り行きながらも撮影を最後までやり切って家族の絆を取り戻す物語である。
でもリメイク版にはそれがない。
家族に限らず登場人物それぞれの物語が浅い、というか無いと言ってもいい。
必然性がオリジナルより薄すぎるんだよね。
あらすじには「監督志望だが純粋すぎて空気の読めない彼の娘と、熱くなると現実とフィクションの区別がつかない妻」とあるが、「そうか？」と首をかしげたくなる。
特に娘に関してはオリジナル版で娘を演じた真魚のように、自分の目指すものと実際の間の葛藤なんて全然描かれていないように感じた。（あくまでも自分は）
まぁ一言でまとめちゃうと、「改めてオリジナルの凄さを感じさせてくれた作品」という所でしょうか？
