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ベネデッタのtakatoのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.0
 ヨシキさんが以前から絶賛していたヴァーホーヴェンの新作をやっと見れました。シスターエクスプロイテーション映画というより、ヴァーホーヴェンらしい「強い女」なんて生易しい、強い人間とは殆ど狂人という一貫したテーマに基づいてる映画でした。歳をとっても凄い人はブレない!。


 見ていて連想したのは、チェスタトンが書いていた「自分を信じている人間が見たければ精神病院に行け」という話である。 


 ヴァーホーヴェン主人公に必要なのは善悪でも、良い人か悪い人かとか、感情移入しやすいかなんて陳腐なドラマツルギーではない。そんな安易なラインを遥かに超えちゃって、自分を信じ切ってる生き残りのためならなんでもするパない人間が御為ごかし一切無しで大暴れし、その様を凡庸な私達は呆気にとられて見てるしかないのである。


 だから最初のうちはノリづらい主人公だなぁ〜って想ってたが、最後の方になってくる逆にすげぇ!な姿に痛快さを覚えてくる。レズ描写はそんなにエロとして露骨にサービスだよ〜って感じではなく、割と清々しくスッポンスッポンで潔さすらあって逆にそんなにエロくなかったです。それより、個人的には趣味だろ!って言われそうですが、小さな花のように清廉なシスター見習いロリたちのがもっと見たかった。
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