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ベネデッタのSQURのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.0
とても良かった。
映画を通して信仰の本質に触れるのと同時に、信仰を通して映画の本質に触れることが出来た。

どういうことかというと、この映画は"偽装か奇跡か"といった軸で展開していくのだが、観客すらもそれを偽装か奇跡か判断することが出来ないといった撮り方で一貫している。
このことは、私には、人間が生きているうちに行う全ての行動が同時に奇跡であるという信仰の本質に対する示唆のように感じられたし(同性愛は本作の大きなテーマであるが、これもまた"ただ生きているだけで罪としても愛としても(奇跡としても)とられうる"という両価性のテーマとして理解できる)、同時に、映画は、人間が生きているうちに行う全ての行動ただ映しているだけで、しかしそれだけで成立するという示唆としても感じられた(そして隣の席の人は全く違った景色として同じ映画を観ているかもしれない)。

映画であることと信仰を持つことが密接している映画だったと思う。
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