開明獣

ベネデッタの開明獣のレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
2.0
ヴァンホーテンのココアが好っき❤️(スキウサギ調)

この監督の作品、なんじゃかんじゃで、結構観てるんだけど、いつも思うのは、「どこか垢抜けないんだよなあ💦」という印象。「ロボコップ」の時から、その印象はかわらない。泥臭いと言い換えた方がいいのかな?名前は、ココアみたいで素敵なんだけどねー😑知らんけど💦

ベネデッダの時代には、既にマルチン・ルターの宗教革命は起こった後で、ドイツを中心にプロテスタントの風が吹き荒れてた中でカトリックの威光が衰え出した頃。とはいえ、まだまだ民衆の生活を縛りつけていたのは、カトリックであったはずなんだけど・・・。実は民衆の心なんて、虚いがちなもの。大抵の人間は、自らの欲望のおもむくままにか、生活第一義で生きていた。本作のバルトロメの家族のように、妻がいなくなれば、娘を代わりに父も兄も平気で性の捌け口にするような時代だった。神の恩寵が受けられるのは、ベネデッダの親のような富裕層だけだった。それも金で買った恩寵に過ぎない。

宗教は、信者を思考停止に追い込む。その方が支配するのに楽だからだ。一方の支配側には別の思考停止で、なんとしても自分たちの信仰に優位なように、なんでもかんでも牽強附会で理論づけしていく。搾取する側、シャーロット・ランプリング扮する修道院長や、教皇大使は実は神など信じてはない。システムにそぐわぬ物を効率的に排除することしか考えてない😔そう、今も昔も世とは俗なものなのであるのよ😑

現代でも構造は同じ。ネットでインフルエンサーと呼ばれる人間のまことしやかなインチキ言説を信じ込んで、そいつらのオンラインサロンやサブスク、書籍購入、広告収入の養分となっていくのは、宗教で信者として搾取されてるのとなんら変わらない。ヴァーホーベンは、"人類みなアホは昔から"、と言いたいのだろうけど、そこから先にあるものは何?をいつも提起しないから、中途半端な印象を受けてしまう。「ロボコップ」や「トータルリコール」の時代は、そんなことなくて、良かったんだけどなあ😔

扇情的な演出を削ぎ落としてみれば、したたかに戦略的に行動する頭脳優れた一人の修道女の狂信の世界だよね。決して、革新的で先駆的な民衆を導く側じゃなくて、前述のネットインフルエンサーと同じ搾取する側。結局、最後にはやっぱり思考停止になって、安住の地に戻ってしまうけど😔

うーん🧐ヴァンホーベンなら、もっと徹底的にキリスト教批判してもおかしくないのに、なんとなく歳とって丸くなっちゃった感が否めないなあ😑裸や性行為は目眩しで、宗教の欺瞞や恐ろしさを本質としてもっと全面に押し出して欲しかった。
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